フランス人の塩分摂取量、フレンチパラドックスの秘密は? | 橋本三奈子のSalt Revolution(わじまの塩に魅せられて)

フランス人の塩分摂取量、フレンチパラドックスの秘密は?

昨日のブログで、「世界保健機関(WHO)は1月31日、塩の摂取量を成人は1日5g未満にすべきだとする新たな指針を公表した」ということをご紹介しました。

このブログで何度か紹介していますが、フランスでは、「岩塩よりも海の塩、海の塩ならゲランドの塩、ゲランドの塩の中ではフルールドセル(表面に浮く結晶)」というのが主婦の常識になっているのだそうです。

そのフランスでは、塩の摂取量はどうなっているのでしょう?

最新のデータではありませんが、2010年11月23日付『ル・モンド』紙(Le sel trouve de moins en moins sa place à table. Le Monde, 2010.11.23, p.23.)によると、2010年現在のフランス人の塩分摂取量は1日当たり8.4グラムで、フランス保健省で推奨している上限の6グラムをまだかなり上回っているそうです。

しかも、塩分を6グラム以下しか摂っていない人は、女性で18%、男性では5%しかいないとのこと。

フランスパンも、バターも、チーズも、お塩がしっかり入っていますものね。

フランスでは、バターやチーズ、豚肉など、飽和脂肪酸が豊富に含まれる食事を摂取しているわりには、心臓病の罹患率が少ないため、それが「フレンチパラドックス」と呼ばれ、フランス人が食事と一緒に飲んでいる赤ワインのポリフェノールに秘密があると言われています。

ウイスキーやブランデーなどの蒸留酒には、マグネシウムが含まれていません。日本酒にも、マグネシウムはほとんど含まれていません。

ワインには、100mlあたり、7~9mgのマグネシウムが含まれています。

マグネシウムには、たんぱく質や脂肪を分解する酵素を活性化させる働きがあります。

マグネシウムをしっかり取っていれば、肉や脂肪をとっても、分解されるんです。

そして、他にマグネシウムを含むのは、硬水のミネラルウォーター。

そして、そして、フランスでよく使われている海塩ですね。

ワインや硬水は、ヨーロッパ全土で飲まれていると思いますが、フランスと、WHOの本部があるスイスや、医薬品開発が進んでいるドイツとの違いは、海の面積ではないでしょうか。

ただの海ではなく、海辺の塩田。

海塩と岩塩の違い。

「フレンチパラドックス」というのは、実は、お塩に秘密があるのではないかと私は思っています。