「わじまの海塩」の産地や製塩方法を紹介します | 橋本三奈子のSalt Revolution(わじまの塩に魅せられて)

「わじまの海塩」の産地や製塩方法を紹介します

昨日まで、11月14日~16日に「国産こだわり海水塩の会」で訪問した、長崎県の対馬、壱岐、佐賀県の唐津・加唐島の製塩所をご紹介しました。

では、「わじまの海塩」はどうなの?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんので、今日は、「わじまの海塩」の製塩所をご紹介いたしますね。

わじまの海塩の産地は、石川県輪島市です。

石川県マップ


輪島港から1日1往復の定期船で、1時間半。

船


輪島沖50kmの位置に、舳倉島(へぐらじま)という小さな島があります。

島


海女さんが、アワビやサザエ、モズクやワカメなどを素潜りで獲っている島です。

海女さん


対馬海流の暖流とリマン海流の寒流がぶつかり交じり合う海域、魚介類も豊富です。

潮の流れが速く、海水も清らかです。

この舳倉島から2km沖で、海水に浮かぶチリや海底の砂などの影響のない水深20m付近の海水を船で取水しています。

この海水を、船で輪島市内にある製塩所に運んできます。

製塩装置は、排気ガスや大気の汚染などの影響がないように、室内にあります。

そして、水槽の中に海水を入れ、上から電気のランプを照らしています。

細長い


以前、ランプの写真を見たことがある方は、「あれ、ランプの形が違っている?」と思われるかもしれません。


よりよい設備になるように、日々進化。

ランプも独自に開発しています。小さく、そして、パワーアップさせています。

熱と風の力だけで海水の表面が蒸発していき、海水が濃縮されていきます。

海水の表面は、36~37℃の体温程度です。グラグラ沸いていたり、湯気が立っていたりしません。ぬるいお風呂のような温度になっています。

最初に、硫酸カルシウム(石膏)、蓚酸カルシウム(針状)が結晶してきます。こういう結晶です。

不純物


水に溶けない成分ということは、身体の中でも溶けないのはないかと考え、これらをきれいに掬い取り、捨てています。

その後、透明になった海水から結晶が生まれてきます。

浮かぶ塩


海水にストレスをかけることなく、自然に塩が生まれてくるのです。

製塩設備


この結晶を掬い取ります。こちらが塩士の中道肇です。

中道さん


塩の結晶は、クリスタルで、透明なんですよ。割れて光の加減で白く見えます。

出来立ての塩


正方形のような結晶の形は、釜炊きをしていない結晶の証です。中道は「塩に顔がある」といっています。

この結晶から水気を切って、パッケージに入れたのが「わじまの海塩」です。

わじまの海塩


廃材や重油を燃やさず、使っているのは、電気だけなので二酸化炭素を排出せず、能登の環境を守ることに貢献しています。

蒸発・結晶を進めたければ電気のスイッチをON、止めたければ電気のスイッチをOFFすればいいので、計画的に生産ができ、無駄がありません。

将来的に、この電力を、太陽光発電や波力発電にしたいなあと強く思っています。

2010年のことですが、小学館「サライ」増刊「美味サライ 2010冬号」では、「塩紀行」シリーズで、全国の製塩所を取材されてきた方々に、「理にかなっている」「世界レベル」と絶賛され、「自然と科学を融合した製法で生み出された逸品」」と書いていただきました。

美味サライ


まさに、「自然と科学の融合」なんです。

「塩を作るのではない。塩はできるのだ。人間はその手伝いをしてやるだけだ」というのが塩士・中道肇がよく言っている言葉です。

「わじまの海塩」はこんな製塩所で生まれているんですよ。

「わじまの海塩」のこだわり、ご理解いただけましたでしょうか?