(1)2012年11月「国産こだわり海水塩の会」 対馬編  | 橋本三奈子のSalt Revolution(わじまの塩に魅せられて)

(1)2012年11月「国産こだわり海水塩の会」 対馬編 

「国産こだわり海水塩の会」という会があります。

(1)原材料名が、海水のみであり、他の原材料を使用していないこと。ただし、藻塩における海藻は除く。

(2)工程が、逆浸透膜、天日、平釜、立釜、噴霧乾燥、加熱ドラムのいずれか、またはその組み合わせによって構成され、イオン膜、溶解、採掘、混合、洗浄を含まないこと。なお、浸漬、乾燥、粉砕、焼成、造粒については問わない。

(3)原料原産地および製造原産地とも、日本国内であること。

というのが、参加条件。

2010年6月に、輪島市で、その「国産こだわり海水塩の会」が開催されることをきっかけに、事務局長の玉井恵さんにお誘いいただいて、加盟しました。

この会の会合が、1年半ぶりに開催されるといことで、今回の訪問場所は、九州。

長崎県の対馬、壱岐、佐賀県唐津の加唐島にある3か所の製塩所を見学するという会、11月14日~16日の2泊3日で参加してきました。

今日は、対馬を紹介します。

初日は、羽田空港から福岡空港、乗り継ぎで、対馬空港へ。

高台からの対馬の風景です。

対馬


まず、対馬にある、株式会社白松の「浜御塩」さんの製塩所を訪問。

浜御塩


このようなところで海水をくみ上げています。

取水


そして、逆浸透膜を利用した海水濃縮装置で、海水の塩分濃度をあげます。

逆浸透膜


さらに、ネット噴霧式の海水濃縮設備で海水の濃度を上げていきます。最後に平釜で炊いて、結晶させています。

こちらが平釜装置。

製塩設備


以前は重油を使っていたそうですが、できるだけ重油の使用を減らしたいということで、現在では、伐採した木のチップを燃やしたバイオマスチップボイラーも導入し、高温の蒸気を使っています。

海水を蒸発させる燃料や燃費については、参加した皆さん、苦労されているということでした。

電気だけで海水を蒸発させている「わじまの海塩」は珍しく、国内で唯一です。世界でも唯一だと思われます。

「わじまの海塩」の場合には、海水の上から電気のランプを照らすだけで、海水を蒸発させているため、表面から結晶していきます。最初に結晶してくる不溶解物のカルシウムを掬い取って捨ててから、塩が結晶してくるのを待ちます。

ここでは、平釜の底や側面に、高温の蒸気を通していて、底から結晶が始まるそうです。

下


一晩かけて、結晶した塩。

結晶


平釜に回りに付着したカルシウムを掃除するのがまた一苦労ということでした。

こちらは、藻塩です。

藻塩


こちらが、「国産こだわり海水塩の会」事務局長の玉井恵さん、懇親会でご挨拶。

玉井さん


各地の製塩所を取材し、2002年に「日本の塩100選」(旭屋出版)、2004/「塩とニガリがよくわかる本」(東京書籍)を出されている方です。

今回の旅をコーディネイトしてくださった玉井恵さん、そして、製塩所見学や、懇親会では、株式会社白松の従業員の方にお世話になりました。ありがとうございました。

明日に続きます。