タラソテラピーの歴史 by 『「塩」は体を温め、免疫力を上げる!』(石原結實著) | 橋本三奈子のSalt Revolution(わじまの塩に魅せられて)

タラソテラピーの歴史 by 『「塩」は体を温め、免疫力を上げる!』(石原結實著)

今日は母の日ですね。

母の日向けにご用意したギフト商品の中には、無農薬のピンクローズのハーブと「わじまの海塩」の粒の大きい結晶をセットしたバスソルトをお入れしました。

ミニバスソルト


このバスソルトの根源にあるのが「タラソテラピー」。

タラソテラピー'Thalasso-therapy’とは、ギリシァ語の'Thalassa'(海)とフランス語の'therapie'(治療)の合成語。1867年、フランスの医師、ラ・ボナディール博士により作られた用語だと言われています。

海水、海藻 海泥などの海の資源を活用し、心と身体のリラクゼーションと自然治癒力を高める海洋療法です。

「タラソセラピー」とも呼ばれています。

今日は、石原結實先生の著書の中に、「『塩』は体を温め、免疫力を上げる!」(発行・2007年、株式会社経済界)という本があります。

塩は


今日は、この中から「タラソセラピー」の章を引用して、「タラソセラピー」の歴史をご紹介いたします。

---

現代医学における「タラソセラピー」の発祥の地はフランスで、ブルターニュ地方を中心に70以上の「タラソセラピー」の施設があり、諸外国を含めますと100近くの施設が存在します。

フランスでは、レッキとした医療の一部として認められており、1961年以来、一部、健康保険の対象になっています。

しかし、タラソセラピーの歴史は、かなり古く、3500年前の古代バビロニア王国に、その端を発しており、その後、古代エジプト時代には火傷や婦人疾患の病気の治療に用いられた、という記録もあります。

古代ギリシァ時代の紀元前480年に詩人エウリビデスは「海は人間の病気を治す」と書き記していますし、かの有名な西洋医学の祖ヒポクラテスは、紀元前420年頃、「海水による温浴法」を、種々の治療の一助とすることを提唱しています。

しかし、「タラソセラピー」は、ローマ帝国の滅亡と共に、衰え失せていくのですが、1578年、フランスの国王アンリ三世が、「海水浴で皮ふ病を治した」ことから、再度、脚光を浴びることになり、フランス人の医師アンブロワーズ・パレは「海水のもつ温熱・収斂、化膿止め」効果について発表しています。

1750年に、イギリスの医師リチャード・ラッセルが「胃腸病、リウマチなどの関節の病気に対して海水の飲用、海水浴、海産物を食べることが効果的である」ことを論文にして発表し、一般に人々のタラソセラピーへの関心も高まっていくようになりました。

そして、ついに1778年には、ノルマンディーのディエップに、タラソセラピーのセンターが設置されるに至ります。1894年には、フランス国立科学アカデミーから「タラソセラピーは、医学的に効果がある」というお墨つきが発表されました。

タラソセラピーの効能の根拠について、フランスの生物学者のルネ・カントンは、その論文の中で

(1)生命・生物の起源が海にあること
(2)あらゆる動物の細胞の中には海水成分が閉じ込められており、またそうした細胞は、血液という海水の中に浮遊して生きていること

をあげています。

つまり、海水は、我々の体が必要としているすべてのミネラルを含んでいることがタラソセラピーによる治癒力の原動力になっているということでしょう。

フランスやロシアの黒海沿岸を中心として諸外国に存在するタラソセラピーセンターでは、外傷のリハビリ、皮ふ病や胃腸の病気、呼吸器疾患などを対象にして、治療が行われています。

海水浴や海泥を全身の皮ふに塗る治療の他にも、海水を飲む治療法も存在するのですから、日本で宣伝されているような、「塩が体に悪い」などという考えは、少しピントが外れているといえるのではないでしょうか。

---
明日に続きます。