南雲吉則先生の『空腹が人を健康にする』における塩 | 橋本三奈子のSalt Revolution(わじまの塩に魅せられて)

南雲吉則先生の『空腹が人を健康にする』における塩

ナグモクリニックの南雲吉則先生の『空腹が人を健康にする』(サンマーク出版・2012年)。

空腹が人を健康にする


新聞広告に大きく出ていて、目次の項目の中に、『「健康にいい塩」などない』というものがあったので、気になり、読んでみました。

その章から抜粋して、引用してご紹介します。

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たしかに天然塩はミネラル分も含まれています。けれど何もミネラルを塩から摂らなくてもいいでしょう。塩からミネラルを摂ろうとすると相当量が必要になってしまうからです。

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ミネラル豊富をうたい文句にしている天然塩の中には、岩塩のようになめてみるとあまりしょっぱくない、むしろ甘みを感じるような塩もあります。

それがかえっておいしく感じ、しょっぱくないのだから体にもいいのではないかと誤解を招き、肉の上に大粒の岩塩を喜んでふっているグルメな方もいます。

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辛党に好まれる漬け物や塩辛なども、保存が効くものは塩が大量に使われています。発酵を止めるには大量の塩が必要だからです。

市販の塩辛には賞味期限が半年から1年になっているものの珍しくありません。

それに比べて、寿司屋で出るような自家製の塩辛は甘塩で、2日目くらいがちょうどいい食べ頃になります。

同じ塩辛を食べるなら、塩分量が少ないほうを選んでください。ぬか漬けなどの漬け物も、発酵を早く進めるためには塩分を少な目にするのがコツです。

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こんな感じの内容で、安心しました。

さすがの私も、ミネラル分を塩からだけ摂ればいいとは思っておりません。

そして、おいしいと感じる塩分濃度は体の血液の塩分濃度と同じ1%弱。だから、大量にお塩を使いなさい、と言っているわけでもないんです。

先日の「ワンダフルライフ研究会」のセミナーで講師をなさった、幕内秀夫氏先生は、「減塩、減塩というから、マヨネーズ、ケチャップ、ソース、焼肉のタレなど、砂糖が入っているものを使ってしまうから、減塩は反対」とおっしゃっていました。

同様に、私は、いくら塩を減らしても、そのかわりに、味をよくし、色味をよくし、保存をよくするために使う添加物、たとえば、

グルタミン酸ナトリウム、5’-イノシン酸ナトリウム、「5’―グアニル酸二ナトリウム、カゼインナトリウム、亜硝酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、などなど

このような、なんとかナトリウムの添加物を多く使うことになり、そのために、ナトリウム過多になってしまって、逆効果だと思っています。

素材の味を引き出す塩を使って、添加物を使わないようにする。

シンプルに美味しいのが一番ですよね。

それから、お塩で野菜や肉などが甘く感じるのは、食物の分解の作用です。

塩化ナトリウムだけの塩と、微量ミネラルが含まれる塩とでは、この食物の分解に違いが出てきます。

グラフ


小さじ1杯のお塩だけでは、人間の体にとって、1日に必要なミネラル量には足りなくても、たとえば肉300g、野菜300gには大きな量になりますよね。

私は、お塩の中のミネラルの役割は、食物に働きかけるものだと思っています。

だから、少しでもよい塩を。「わじまの海塩」をお勧めします。