発酵食品大国・日本 by 「塩麹と発酵食のレシピ」(著:白澤卓二・舘野真知子)
今日は、順天堂大学大学院 医学研究科 抗加齢制御医学講座 教授・白澤卓二先生と、発酵料理研究家・舘野真知子さんの共著『塩麹と発酵食のレシピ』(アスペスト、2011年10月6日発行)をご紹介します。
----
日本の発酵食品
日本の発酵食品
日本は、縦長の国土と湿度の高い気候の影響で、収穫できる主要な穀物に地域制があり、湿度の高さがカビの繁殖しやすい環境を作っているので、日本人はさまざまな穀物から発酵食品を作る知恵を生み出してきました。
日本は世界でも類をみないほどの発酵食品大国といっても過言ではありません。
(略)
先人は、酵素や乳酸菌の働きを知って発酵食品を作り出したわけではなく、偶然にできた発酵食品は「保存ができて、しかもおいしい」という発見から、さまざまな試行錯誤や創意工夫の末いたどりついた知恵の結晶だったのです。
先人は、酵素や乳酸菌の働きを知って発酵食品を作り出したわけではなく、偶然にできた発酵食品は「保存ができて、しかもおいしい」という発見から、さまざまな試行錯誤や創意工夫の末いたどりついた知恵の結晶だったのです。
長い年月と人類の知恵を経て、現代にまで伝えられている発酵食品は、残るべくして残った日本人の食文化と健康を支え続けてきた立役者ともいえる存在なのです。
しかし、現代の食生活では、発酵食品以外の食品もたくさん流通しているので、現代人は昔の人に比べると、発酵食品を食べる機会が少なくなっています。
食べ物が人の体を作るともいわれているように、現代人の食生活の変化が、昔の日本人には少なかった、アレルギー症状や生活習慣病などの体の問題も増加させているという関係を指摘する人もいます。
---
発酵食品を食べる機会が減ったのは、食の文化や生活スタイルが変わったことももちろんありますが、昭和47年から日本に流通していた塩化ナトリウムだけの精製塩が発酵を難しくしてしまったせいなんじゃないかなあとも思います。
それで、昔は、家で普通に行われていた発酵食品作りがだんだん行われないようになってしまったのではないでしょうか。
それで、昔は、家で普通に行われていた発酵食品作りがだんだん行われないようになってしまったのではないでしょうか。
そして、ちまたで、安く大量に販売されている醤油やみりんや酢や味噌は、ホンモノの発酵食品ではなくて、化学的な処理により、発酵風の味がつけられている調味料になってしまっているのですよね。
今、発酵食が見直されているのは、塩の自由化によって、マグネシウムを含む塩が身近になり、その結果、発酵食作りが身近なものに戻ってきたからではないかな、とも思っています。
瀬戸内海の赤穂の塩が近くにあった京都と、能登の塩が近くにあった石川県に、発酵文化が根付いているのも、偶然ではないことでしょう。
ご家庭の発酵食作りには、発酵に適した塩を。
「わじまの海塩」は、保存性を高めるナトリウムと発酵を促すマグネシウムとの含有バランスが人の血液と似ていて、発酵に適している塩ですよ。