消化分解不良とアレルギー ---『酵素が体の疲れをとる!』より | 橋本三奈子のSalt Revolution(わじまの塩に魅せられて)

消化分解不良とアレルギー ---『酵素が体の疲れをとる!』より

昨日まで、『酵素が体の疲れをとる!』(著・鶴見クリニック院長・鶴見隆史、青春出版社、2009年)より、食生活と酵素と体の痛みの関係についてご紹介してきました。

今日からは、消化不良が、痛み以外にも引き起こすさまざまな悪影響についてご紹介していきます。

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人間はタンパク質、炭水化物、脂質といういわゆる「三大栄養素」を、食事から摂ります。

三大栄養素は口から胃に入り、そして小腸に行って非常に微細な分子にまでなります。これが消化のメカニズムなのです。

消化

                        (『酵素が体の疲れをとる!』 p99より)

タンパク質なら最少単位のアミノ酸に、炭水化物はブドウ糖(と果糖)に、脂質は脂肪酸にまで消化分解されてから、吸収されます。

なぜ、これらの栄養素は小さくならないと吸収できないのでしょうか?

それは小さくならないと「代謝」の作業がスムーズにできないからです。「代謝」は人間が生きていくうえで非常に大切な生命行為です。

人間の皮膚は約28日で、骨は90日、筋肉は60日で新しい細胞と入れ替わるといわれています。

こういった古いパーツを新品に交換する作業がうまくいかないと、さまざまな病気が起こる原因になります。

また消化しきれなかった食べ物の分子が残っていると、腸が汚れてしまいます。

また、栄養素の分子が小さくならず吸収されると、いろいろな病気の原因になってしまいます。

消化が不十分な食べ物の分子が、小さくならずに腸壁から吸収されたことで起こる一連の疾患は「リーキーガット症候群」と呼ばれています。

普通は吸収されない比較的大きい分子が血液中に入り込んでしまうと、私たちの体は防御のためにアレルギー反応を起こします。

これによって、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、気管支ぜん息、クローン氏病などが起こるのです。

最近では糖尿病や脳梗塞、心筋梗塞、高血圧、血栓性静脈炎、肝疾患、腎疾患など、消化不良があらゆる病気につながるといわれるようになってきました。

食べ過ぎて慢性消化不良状態に陥っていると、体が疲れやすくなるばかりか、さまざまな病気にかかりやすくなるのだということを、よく覚えておいてください。

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消化不良で、消化されなければ、体に吸収されず、便になりそのまま出ていってくれれば、いくら食べても太らないのではないか・・・なんていうのは、甘い考え。そうはいかないもんなんですね。

食品ではありませんが、「加水分解コムギ」という小麦由来のタンパク質が含まれていた石鹸で、小麦アレルギーが発症してしまう問題が起きています。

それは、特にこの石鹸では、泡をモッチリとさせるため、通常よりも、分子量の大きいタンパク質を使っていたのが原因ではないかと言われています。

肌からも吸収されるもの、腸であればなおさら・・・。食べたものが小さく分解されないというのは怖いことですね。

アレルギーが、食生活の見直しで改善されていく理由も納得できますね。