辰巳芳子先生の洋のスープの基本「蒸らし炒め」の技法
辰巳芳子先生は、「スープの神様」と呼ばれる方です。
辰巳先生が、40余年前、当時の駐日フランス大使が世界一と絶賛したという宮内庁大膳寮で仕事をしていた加藤正之氏に習い、 料理研究家のお母様に習ったスープの作り方。
お父様の介護や、病院へのスープサービスで、まさに、「いのち」を支えたスープです。
時を重ね、辰巳芳子先生オリジナルの技法に。 その洋のスープの基本が、「蒸らし炒め」ということです。
食材を渾然一体とさせ、とろみをつけるポタージュ・リエに必須の手法とのこと。
この技法のスープには、うま味成分(グルタミン)が残るということです。
この技術のかんどころが 「辰巳芳子 スープの手ほどき 洋の部」(2011年2月・文芸春秋発行)に掲載されています。
野菜スープを作るときの、塩の使い方の参考にもなると思いますので、「蒸らし炒めのこと」という章より、引用して、ご紹介します。
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まず、厚手の鍋を選ぶ。ふたが重く、鍋本体に吸い付く出来が望ましい。
つまり、野菜類から滲出する水分で蒸気をつくり、野菜全体に汗をかかせ、火力の調節を手がかりに野菜類を柔らかくし、旨味を引き出すから。 密閉性も必要の故である。
火加減は野菜類が焦げぬよう、0(余熱)~10(最強)のうち、2~5程度を使い分ける。
通常、旨味成分( グルタミン)は熱で消失するが、この手法を用いると残存する(味の素株式会社の実験)。
故に、私のスープは材料が質素であっても美味。
●蒸らし炒めのかんどころ
・野菜に等しく火を通すため、たまねぎは1ミリ、じゃがいもは8ミリなどと厚さを揃え切る。
・鍋にオリーブ油と最初の野菜(たまねぎが多い)を入れ、混ぜて均一に油をまとわせた後、着火する。
・ふたをし、時々、木べらで中を混ぜる。木べらは鍋底に垂直に構え、ぬかりなくまんべんなく混ぜる。
・最初がたまねぎの場合、刺激臭が消えたら次の野菜を加える。つなぎはじゃがいもや生米など。
・火が通りにく野菜から順に加え、それぞれを蒸気で透き通るまで炒める。最後は等しく火が入る。
・途中、焦げるのであれば、水少量を足す。ふたについた蒸気も大切に鍋へ戻し、旨味成分を逃さない。
●ブイヨンを注ぐ場合
・炒め終わりは野菜がつやつやし、そのまま食せる様相。そうなったらはじめて、ブイヨンを加える。
・ブイヨンは分量すべてではなく、野菜がひたひたになる程度に注ぐ。塩半量を加え、底味をつける。
・ふたをして、ふつふつと静かに煮る。すべての野菜が十分に軟らかくなったら、火を止める。
・火から下ろし、ローリエがあれば除き、ミキサーへ。粗熱はとるが、なるべく熱いうちにかける。
・固形物がなくなるまでミキサーをまわし、こし器を通してきれいな鍋へ戻す。粘りが出ぬように。
・再び火にかけ、残りのブイヨンや牛乳などで濃度を調節する。味をみて、残りの塩を投入する。
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煮込む前と、最後の塩味の調整のときに、お塩を使われています。
ちなみに、ブイヨンは、鶏の手羽先と香味野菜を、昆布と干ししいたけを戻した水も加えて煮て、布でこしたもの。
市販のものでもよいそうですが、化学調味料無添加のものを使いたいですね。
辰巳芳子先生は、こんなふうにもおっしゃっています。
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おいしいスープは、知識の裏付けによる冷静な分析に支えられた、練習量から生じる。
私のスープ作法は栄養を逃さないが、さらにおいしくなければ意味がない。
おいしいものには自然に栄養も備わっている。
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なるほど。 なるほど。
こんな辰巳芳子先生に、「わじまの海塩」を「とてもよい塩」とおっしゃっていただいたこと 、心からうれしく思っています。
でも・・・、私なんぞは、超手抜きスピード料理なので、普段の料理は、
・根野菜など固いものは、「わじまの水塩」をチューチューとかけて電子レンジ用スチーマーで3分チンして蒸して軟らかくしてから、
・密閉性のあるガラス蓋つきで、フライパン型の厚い鍋で、肉や魚介類と合わせて、「わじまの海塩」で炒めたり、煮たり、スープにしたりして、
・最後に味見をして、塩味が足りないときには、「わじまの水塩」で調整
というような料理方法。
電子レンジを使ってしまったり、ミキサーやこし器を使ったりもしていないので、辰巳先生に、叱られてしまいそうですが、しっかり、素材のうま味が出ていて、我ながら、おいしいと思うのです。
低温でつくっているため、素材になじみやすく、かつ、たんぱく質を、うま味の成分・グルタミン酸を始めとするアミノ酸に分解する酵素を活性化させるマグネシウムを含んだ 「わじまの海塩」と「わじまの水塩」。
これらを使うことで、手間暇をかけずに、素材をおいしくいただく「知識の裏付けによる冷静な分析」というあたりは合格しているかなと、思うわけですが。
でも、いつか、家族やお世話になった方が、物を噛むことができなくなったり、ごっくんと飲み込むことが難しくなったときには、 ちゃんと、ミキサーやこし器でして、ポタージュにして、 飲ませてあげようと、心に決めています。
あ、でも、練習量も必要ということなので、いつか、と言っているだけではいけませんね・・・。
辰巳先生が、40余年前、当時の駐日フランス大使が世界一と絶賛したという宮内庁大膳寮で仕事をしていた加藤正之氏に習い、 料理研究家のお母様に習ったスープの作り方。
お父様の介護や、病院へのスープサービスで、まさに、「いのち」を支えたスープです。
時を重ね、辰巳芳子先生オリジナルの技法に。 その洋のスープの基本が、「蒸らし炒め」ということです。
食材を渾然一体とさせ、とろみをつけるポタージュ・リエに必須の手法とのこと。
この技法のスープには、うま味成分(グルタミン)が残るということです。
この技術のかんどころが 「辰巳芳子 スープの手ほどき 洋の部」(2011年2月・文芸春秋発行)に掲載されています。
野菜スープを作るときの、塩の使い方の参考にもなると思いますので、「蒸らし炒めのこと」という章より、引用して、ご紹介します。
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まず、厚手の鍋を選ぶ。ふたが重く、鍋本体に吸い付く出来が望ましい。
つまり、野菜類から滲出する水分で蒸気をつくり、野菜全体に汗をかかせ、火力の調節を手がかりに野菜類を柔らかくし、旨味を引き出すから。 密閉性も必要の故である。
火加減は野菜類が焦げぬよう、0(余熱)~10(最強)のうち、2~5程度を使い分ける。
通常、旨味成分( グルタミン)は熱で消失するが、この手法を用いると残存する(味の素株式会社の実験)。
故に、私のスープは材料が質素であっても美味。
●蒸らし炒めのかんどころ
・野菜に等しく火を通すため、たまねぎは1ミリ、じゃがいもは8ミリなどと厚さを揃え切る。
・鍋にオリーブ油と最初の野菜(たまねぎが多い)を入れ、混ぜて均一に油をまとわせた後、着火する。
・ふたをし、時々、木べらで中を混ぜる。木べらは鍋底に垂直に構え、ぬかりなくまんべんなく混ぜる。
・最初がたまねぎの場合、刺激臭が消えたら次の野菜を加える。つなぎはじゃがいもや生米など。
・火が通りにく野菜から順に加え、それぞれを蒸気で透き通るまで炒める。最後は等しく火が入る。
・途中、焦げるのであれば、水少量を足す。ふたについた蒸気も大切に鍋へ戻し、旨味成分を逃さない。
●ブイヨンを注ぐ場合
・炒め終わりは野菜がつやつやし、そのまま食せる様相。そうなったらはじめて、ブイヨンを加える。
・ブイヨンは分量すべてではなく、野菜がひたひたになる程度に注ぐ。塩半量を加え、底味をつける。
・ふたをして、ふつふつと静かに煮る。すべての野菜が十分に軟らかくなったら、火を止める。
・火から下ろし、ローリエがあれば除き、ミキサーへ。粗熱はとるが、なるべく熱いうちにかける。
・固形物がなくなるまでミキサーをまわし、こし器を通してきれいな鍋へ戻す。粘りが出ぬように。
・再び火にかけ、残りのブイヨンや牛乳などで濃度を調節する。味をみて、残りの塩を投入する。
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煮込む前と、最後の塩味の調整のときに、お塩を使われています。
ちなみに、ブイヨンは、鶏の手羽先と香味野菜を、昆布と干ししいたけを戻した水も加えて煮て、布でこしたもの。
市販のものでもよいそうですが、化学調味料無添加のものを使いたいですね。
辰巳芳子先生は、こんなふうにもおっしゃっています。
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おいしいスープは、知識の裏付けによる冷静な分析に支えられた、練習量から生じる。
私のスープ作法は栄養を逃さないが、さらにおいしくなければ意味がない。
おいしいものには自然に栄養も備わっている。
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なるほど。 なるほど。
こんな辰巳芳子先生に、「わじまの海塩」を「とてもよい塩」とおっしゃっていただいたこと 、心からうれしく思っています。
でも・・・、私なんぞは、超手抜きスピード料理なので、普段の料理は、
・根野菜など固いものは、「わじまの水塩」をチューチューとかけて電子レンジ用スチーマーで3分チンして蒸して軟らかくしてから、
・密閉性のあるガラス蓋つきで、フライパン型の厚い鍋で、肉や魚介類と合わせて、「わじまの海塩」で炒めたり、煮たり、スープにしたりして、
・最後に味見をして、塩味が足りないときには、「わじまの水塩」で調整
というような料理方法。
電子レンジを使ってしまったり、ミキサーやこし器を使ったりもしていないので、辰巳先生に、叱られてしまいそうですが、しっかり、素材のうま味が出ていて、我ながら、おいしいと思うのです。
低温でつくっているため、素材になじみやすく、かつ、たんぱく質を、うま味の成分・グルタミン酸を始めとするアミノ酸に分解する酵素を活性化させるマグネシウムを含んだ 「わじまの海塩」と「わじまの水塩」。
これらを使うことで、手間暇をかけずに、素材をおいしくいただく「知識の裏付けによる冷静な分析」というあたりは合格しているかなと、思うわけですが。
でも、いつか、家族やお世話になった方が、物を噛むことができなくなったり、ごっくんと飲み込むことが難しくなったときには、 ちゃんと、ミキサーやこし器でして、ポタージュにして、 飲ませてあげようと、心に決めています。
あ、でも、練習量も必要ということなので、いつか、と言っているだけではいけませんね・・・。