日本のタラソテラピー(海洋療法)のはじめと海水のミネラル | 橋本三奈子のSalt Revolution(わじまの塩に魅せられて)

日本のタラソテラピー(海洋療法)のはじめと海水のミネラル

先日、顧問・瀬川の紹介で、日本国内のリゾート開発大手の◯◯鉄道グループにお勤めだったという方にお会いしました。

もう退職された方ですが、当時、日本初のタラソテラピー(海洋療法)の宿泊施設を作るご担当者だったそうです。

タラソテラピーというのは、フランスの伝統的な自然療法。海の恵みである海水、海藻、海泥などの海の資源を活用し、体の内側から細胞を活性化させ自然治癒力を高めていくといわれています。

特に、体温に近い35℃前後の温めた海水を利用します。(温められたミネラルイオンが皮膚に浸透しやすいという話を昨日ご紹介しました)

◯◯鉄道では、最初、このタラソテラピーのリゾートホテルを八丈島に作る予定だったのだそうです。

ところが、断崖絶壁が多く、海水を組み上げるのが大変だったことに加え、フランスから専門の先生を招いて調査したところ、その付近の海水は塩分濃度は高いけれど、海洋療法のためのミネラル分が少ないということで、却下になったそうなんです。

そして、所有している土地の中から候補を絞り、三重県の志摩に作ったそうなんですよ。

それが日本のタラソテラピーの最初の施設だったそうです。(今、志摩にあるタラサ志摩というリゾートは、別の経営のものです。)

伊勢志摩も、魚介類や海藻の豊富な地域として、有名ですね。

海水中には、地球上にある92種類全部の元素が含まれているといいます。元素のうち、酸素、炭素、水素、窒素以外をミネラルと呼びます。

海水中のミネラルには、g(グラム)の単位の1000分の1gのmg(ミリグラム)や、100万分の1gのμg(マイクログラム)やさらに、10億分の1gのng(ナノグラム)や、1兆分の1gのpg(ピコグラム)の単位でしか測れないような微量のものもあります。

先日訪問した、独立行政法人・水産総合研究センター中央水産研究所の和田時夫所長にも確認してみましたところ、海水の成分は、基本的にはどの地域も同じとされてはいるけれども、実際には、ミネラルの微量な成分は、海水の地域によって、特に沿岸部では、違いが現れるそうです。

通常の検査では計れないような微量な成分の違いがあるのでしょう。興味深いことですね。