「良い塩」は商品の裏の「製造方法」でチェックしよう by 新谷弘実先生 | 橋本三奈子のSalt Revolution(わじまの塩に魅せられて)

「良い塩」は商品の裏の「製造方法」でチェックしよう by 新谷弘実先生

新谷弘実先生の「水と塩を変えると病気にならない」(マガジンハウス・2011年3月10日発行)の内容をご紹介しています。

新谷弘実先生は、「良い塩」を見分ける参考の一つとなるのは、商品の裏側に表示されている「製造方法」の内容だとおっしゃっています。

食用塩公正取引協議会により、2010年4月より、食用塩の表示に関する規約が実施され、市場に出まわっている塩には、原材料名と工程が記載されるようになりました。

例を上げます。こんなふうに表示されているはずです。

商品A 製造方法
     原材料名:海水(◯◯県、◯◯海)
 工程:イオン膜、立釜、乾燥

商品B 製造方法
     原材料名:天日塩(95% メキシコ)、海水(5% 日本)
 工程:溶解、平釜、焼成

商品C 製造方法
     原材料名:海水(◯◯県、◯◯海)
 工程:天日、平釜

では、「まず家庭の塩をチェックしてみよう」の節から引用します。

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まずチェックのポイントになるのは工程のほうです。

たとえば、商品Aのように「イオン膜」「立釜」という表示のあるものは、海水から塩化ナトリウムを抽出する「イオン交換膜・立釜法」で作られた塩であることを意味しています。

現代人にとって最も一般的な「塩」かもしれませんが、こうした「工場の塩」を日常的に摂取していれば肝心のミネラルバランスはどんどん崩れてしまいます。

また、商品Bの表示では、「溶解」という文字が確認できるはずです。そう、こちらは外国産の天日塩を溶解させ、にがりを加えて作った再生自然塩であることがわかります。

イオン交換膜で作った塩に比べるとミネラルバランスは改善されていますが、人為的に再生されたものですから本来の海の塩からはまだかけ離れています。

そこで登場するのが商品Cの「天日」「平釜」で作った塩です。

1997年に塩の製造が自由化されて以来、大量
生産によって安く入手できる従来の「工場の塩」とは対照的な、手作り感の強い本物志向の塩が数多く作られるようになりました。

現在、大きなスーパーや自然食品店で様々な種類の「良い塩」が販売されていますが、ここで紹介したような製造方法が記載されているものならば、基本的に信頼できる製品と考えていいでしょう。

もちろん、同じ平釜・天日干しの良い塩でも、生産地や製造法によって塩の特徴や味わいは異なってきます。

なお、価格については、少量生産の「平釜・天日干し」が最も割高になります。「イオン膜」が250gで約40円、「溶解」は100円、「平釜・天日干し」は600~1200円くらいが平均価格と考えればいいでしょう。

価格の違いに驚いた人もいるかもしれませんが、厚生労働省がすすめる1日10gを基準にした場合でも1ヶ月の塩の商品は約300g。

外食や間色もあるので家庭で使う分はこれで十分だと思いますが、割高な「平釜・天日干し」
の塩でも一人当たりせいぜい1000円強の支出で済みます。

個人の価値判断によりますが、決して法外な金額とは言えません。

私からすれば、1ヶ月50円もかからない
安価な塩で自分の健康が本当に守れるのか疑問に感じてしまうわけですが…。

いずれにせよ、こうした基礎知識を頭に入れておくだけでも、塩の選び方はグンとラクになります。

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塩分は、味噌、醤油、その他食品にも含まれているので単体の塩だけで1日10gを摂るということはほとんどないと思います。

また、家族構成やライフスタイルにもよりますが、毎日、家庭で3食で作って食べるということも現代では稀かもしれません。

そう思うと、塩については、「一人当たりせいぜい1000円強」という金額よりも、もっともっと少ない金額になります。

それであれば、自分や家族のために「良い塩」を使っていきたいものですね。