中国のヨード入り塩について
昨日は、3月17日の中日新聞の国際面の紙面を紹介しましたが、中日新聞のサイトの方には少し違う内容が出ていました。
●中日新聞のホームページより
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買い占めの動き、中国に飛び火 塩や粉ミルク、オムツも 2011年3月17日
【北京共同】東日本大震災の影響を受け、中国各地で17日、庶民が食塩などの食料買い占めに走り、スーパーでは品切れが相次いだ。
日本の動きが飛び火した格好だ。
中国では「震災の影響で海水が汚染され、塩が不足する」「ヨード入り塩は放射線の影響を抑える」といったうわさが拡大。
北京市中心部のスーパーでは朝から塩を買う行列ができた。
店内で「何で食塩がないんだ」と怒鳴る男性も。男性は近くにあったしょうゆを買い込んでいた。
中国当局は「食塩の備蓄は十分にあり、買い占めに走る必要はない」と消費者に冷静な対応を呼び掛けた。
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この後、浙江慈渓市の男性がヨード入りの塩を食べ過ぎて、3月17日に亡くなった、なんていうニュースも出ているようです。
→ http://news.ifeng.com/world/special/ribendizhen/content-2/detail_2011_03/18/5222961_0.shtml
なにごとも、行き過ぎはダメですよね。
さて、注目する点は、「ヨード入り塩」という部分です。
3月18日の新華社という中国の新聞の日本語版には、以下のニュースが掲載されていました。
●3月18日 新華社北京(日本語訳版)
http://jp.xinhuanet.com/2011-03/18/c_13785957.htmより。
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中国工業・情報化省の報道官は17日、一部地域で食塩の買いあさりによる供給ひっ迫が起きていることをめぐって、塩の生産・販売企 業は市場の供給に対応するため、現在、市場の変化に基づき、措置を積極的にとり、生産と輸送を全力で手配していることを明らかにした。
同報道官は次のように説明した。現在、中国の原塩の年産量は約6800万トンで、そのうち岩塩が約4000万トンで、またヨード塩の需要は年間わずかに 800万トン前後であり、市場の需要に基づき、企業はいつでも原塩をヨード塩に加工できる。
また中国が生産するヨード塩の90%以上は岩塩を加工したもので、ヨード塩の生産量、品質、安全性は完全に保障されている。
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中国の塩は、岩塩にヨードを添加したものなんです。
どうして、そんな塩が作られているかというと、以下が参考になります。少し古いですが、2007年の記事です。
●中国ニュース通信社
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=12559より
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ヨード欠乏症根絶に向け、省政府が計画を発表―湖北省
2007年11月、湖北省政府は「風土病予防根絶に関する第11期5か年計画」を発表、2010年までにヨード欠乏症を一掃すると発表した。
現在、湖北省全域で30万人がヨード欠乏症に悩まされていると見られる。
ヨード不足は深刻な障害を生み出すことで知られている。
妊婦のヨード摂取量が不足した場合、胎児はクレチン病にかかり、成長に支障が生じることで知られて いる。
妊婦以外でもヨードの摂取量が不足すれば、甲状腺の肥大・機能低下・生殖機能の低下などの障害が発生する。
中国ではほぼ全国でヨード欠乏症が蔓延している。
湖北省の策定した計画による と、2010年までにヨードを添加した食塩の普及率を95%以上にまで引き上げ、 ヨード欠乏症に関する知識の普及率を80%以上に引き上げることを目標としている。
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日本は、海に囲まれ、コンブやひじき・わかめ等からヨウ素を摂取することができるため、 あえてヨードを摂る必要はないとされています。
岩塩にはヨードが含まれていないことから、中国や欧米の大陸部など、世界的に海の無い内陸地域では 「ヨード欠乏症」が発生しています。
そのため、中国では1996年に「食塩にヨードを添加する法律」が施行され、食塩にヨードを添加することが義務づけられています。
なお、日本では、ヨウ素(ヨウ化物)は食品添加物として認められていませんので、 日本国内で生産、販売される食用塩に添加すること、添加された食用塩を輸入することは禁止されています。
つまりは、放射能がどうこうということではなく、日本では、日常的に、コンブやひじき・わかめ、そして、海水からできた塩を摂るように、ということですね。でも、過度の摂りすぎはいけませんよ!
●中日新聞のホームページより
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買い占めの動き、中国に飛び火 塩や粉ミルク、オムツも 2011年3月17日
【北京共同】東日本大震災の影響を受け、中国各地で17日、庶民が食塩などの食料買い占めに走り、スーパーでは品切れが相次いだ。
日本の動きが飛び火した格好だ。
中国では「震災の影響で海水が汚染され、塩が不足する」「ヨード入り塩は放射線の影響を抑える」といったうわさが拡大。
北京市中心部のスーパーでは朝から塩を買う行列ができた。
店内で「何で食塩がないんだ」と怒鳴る男性も。男性は近くにあったしょうゆを買い込んでいた。
中国当局は「食塩の備蓄は十分にあり、買い占めに走る必要はない」と消費者に冷静な対応を呼び掛けた。
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この後、浙江慈渓市の男性がヨード入りの塩を食べ過ぎて、3月17日に亡くなった、なんていうニュースも出ているようです。
→ http://news.ifeng.com/world/special/ribendizhen/content-2/detail_2011_03/18/5222961_0.shtml
なにごとも、行き過ぎはダメですよね。
さて、注目する点は、「ヨード入り塩」という部分です。
3月18日の新華社という中国の新聞の日本語版には、以下のニュースが掲載されていました。
●3月18日 新華社北京(日本語訳版)
http://jp.xinhuanet.com/2011-03/18/c_13785957.htmより。
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中国工業・情報化省の報道官は17日、一部地域で食塩の買いあさりによる供給ひっ迫が起きていることをめぐって、塩の生産・販売企 業は市場の供給に対応するため、現在、市場の変化に基づき、措置を積極的にとり、生産と輸送を全力で手配していることを明らかにした。
同報道官は次のように説明した。現在、中国の原塩の年産量は約6800万トンで、そのうち岩塩が約4000万トンで、またヨード塩の需要は年間わずかに 800万トン前後であり、市場の需要に基づき、企業はいつでも原塩をヨード塩に加工できる。
また中国が生産するヨード塩の90%以上は岩塩を加工したもので、ヨード塩の生産量、品質、安全性は完全に保障されている。
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中国の塩は、岩塩にヨードを添加したものなんです。
どうして、そんな塩が作られているかというと、以下が参考になります。少し古いですが、2007年の記事です。
●中国ニュース通信社
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=12559より
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ヨード欠乏症根絶に向け、省政府が計画を発表―湖北省
2007年11月、湖北省政府は「風土病予防根絶に関する第11期5か年計画」を発表、2010年までにヨード欠乏症を一掃すると発表した。
現在、湖北省全域で30万人がヨード欠乏症に悩まされていると見られる。
ヨード不足は深刻な障害を生み出すことで知られている。
妊婦のヨード摂取量が不足した場合、胎児はクレチン病にかかり、成長に支障が生じることで知られて いる。
妊婦以外でもヨードの摂取量が不足すれば、甲状腺の肥大・機能低下・生殖機能の低下などの障害が発生する。
中国ではほぼ全国でヨード欠乏症が蔓延している。
湖北省の策定した計画による と、2010年までにヨードを添加した食塩の普及率を95%以上にまで引き上げ、 ヨード欠乏症に関する知識の普及率を80%以上に引き上げることを目標としている。
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日本は、海に囲まれ、コンブやひじき・わかめ等からヨウ素を摂取することができるため、 あえてヨードを摂る必要はないとされています。
岩塩にはヨードが含まれていないことから、中国や欧米の大陸部など、世界的に海の無い内陸地域では 「ヨード欠乏症」が発生しています。
そのため、中国では1996年に「食塩にヨードを添加する法律」が施行され、食塩にヨードを添加することが義務づけられています。
なお、日本では、ヨウ素(ヨウ化物)は食品添加物として認められていませんので、 日本国内で生産、販売される食用塩に添加すること、添加された食用塩を輸入することは禁止されています。
つまりは、放射能がどうこうということではなく、日本では、日常的に、コンブやひじき・わかめ、そして、海水からできた塩を摂るように、ということですね。でも、過度の摂りすぎはいけませんよ!