低体温が引き起こす病気 | 橋本三奈子のSalt Revolution(わじまの塩に魅せられて)

低体温が引き起こす病気

石原結實先生の理論は、簡単に書くと、


「食べ過ぎ」+「冷え(体温が低下している)」⇒「ほとんどの病気」

だから

「食べない」+「体温を上げる」⇒「ほとんどの病気が治る」


というものです。


「体温を上げるとあなたは必ずやせる」(マキノ出版、平成22年1月)より、前回は、日本人の体温が低下した原因 について紹介しました。今日は、体温体温の低下が原因で引き起こされる病気について、引用して、説明します。


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低体温から代謝が衰え、血液中の余分な脂肪や糖分、そのほかの代謝産物がじゅうぶんに燃焼・排泄できないと、脂質異常症(高コレストロール血症、高中性脂肪血症)や高血糖(糖尿病)、高尿酸血症状(痛風)などを招きます


血管の収縮から、高血圧も招きやすくなります。


また、体の余分な水分(水毒)と冷えとの悪循環があると、体の各部の痛みを起こしやすくなります。


冷えと水毒は、互いを悪化させるうえ、どちらも痛みを起こすので、体内に「冷」「水」「痛」の三角関係が生じるのです。


こうなると、腰痛、ひざ痛、股関節痛などの関節痛、慢性関節リウマチ、神経痛、慢性頭痛などの痛みが起こります。


したがって、これらの痛みは、徹底的に体を温めて体温を上げると、しだいに軽減していきます。


前述のとおり、水毒からは、アトピー性皮膚炎などのアレルギー、耳鳴り、めまい、頻脈、不整脈なども起こります。


冷えて、血行が悪くなると、肩こりや手足のしびれなどが起こってきます。また、川の流れが滞るとゴミがたまるのと同じで、血行不良があると血液が汚れてきます。


これを、漢方では「瘀血(おけつ)」といいますが、これは「汚血」にも通じます。


そこからは、動脈硬化、各種の発疹、炎症(発疹も炎症も老廃物を取り除こうとする現象)、生理痛、生理不順、婦人科系の病気などが起こります。


低体温は免疫にも大きく関係します。平熱から、体温が1℃下がると、免疫力(体内に病原体が侵入しても発病を抑える力)は30%以上下がることがわかっています。


つまり、低体温が進むほど、カゼやヘルペス(帯状疱疹)といった感染症、ガンなどにかかる危険性が大きくなるのです。


実際に、35℃以下の環境で、ガン細胞は最も増殖しやすく、39.3℃で死滅することがわかっており、それを利用したガンの温熱療法も開発されています。


なお、体温が逆に平熱から1℃上がると、免疫細胞の活性が5~6倍になるという米国の研究結果があります。


これは、平熱から一時的に体温が上がったときの研究結果ですが、1日1回でも2回でも、そういった状態をつくることで、免疫力がぐんと高まるわけです。


さて、水を冷やすと氷になり、食べ物を冷凍庫に入れると硬くなるように、冷えるとすべてのものは硬くなるという法則があります。


それは体の中でも同じで、低体温が続くと「かたまり」ができやすくなります。


この意味でも、体が冷えるとガンができる危険性が増すのですが、ほかに、脳梗塞や心筋梗塞の元になる血栓や、子宮筋腫なども起こりやすくなります。


さらに、体温は精神状態とも深く関係しています。


心と体は表裏一体なので、冷えて、体の代謝が落ちると、精神の活動レベルも当然落ちてきます。


1日のうち、体温が最も低くなるのは、午前3時から5時ですが、この時間帯は、うつや不眠の人がいちばん目を覚ましやすく、自殺が多い「魔のとき」でもあります。


これは体温が下がることで、精神状態が悪化するからです。


うつ病の人が、明け方から午前中にかけて調子が悪く、午後になると多少よくなるのも、午後3時から5時に、体温が最も高くなるからです。


体をあたためて、体温の底上げをしてやれば、うつやその他のこころの病気を改善に向かわせるのに、大いに役立ちます。もちろん、自殺を防ぐ一助にもなります。


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たかが体温ですが、西洋医学ではほとんど見逃されていることだそうです。体を温めること、大切ですね。


次回は、低体温とメタボ・肥満の関係について説明しますよ。