「おだしにひとつまみ入れるとうま味がひきたつ」by 元「柏家」女将・村上冨貴子さん
お正月らしい風景で、門松。
こちらは弊社顧問・瀬川昌威のご実家、本郷にある瀬川邸の玄関です。
この建物は、明治20年(1887年)頃、帝国大学初代工学部長を務めた古市公威氏の自邸として建てられたもの。古市公威氏は瀬川さんの母方の曾祖夫にあたり、関東大震災後、瀬川家が譲り受けて住むようになったということ。
登録有形文化財に指定されていて、この建物を長く保存するため、今は、瀬川家四男である瀬川昌輝氏の昌平不動産総合研究所の管理となっています。
2010年12月27日、こちらで、併設のビルのテナントさん向けの年末恒例お餅付き。
お雑煮やあんこや大根おろしや納豆などで、すっかりお腹がいっぱいになったあとは、鏡餅とのし餅づくり。
さて、こちらにいらっしゃっていたお客様。元・懐石料理「柏家」の女将・村田冨貴子さん。94歳。
この村田冨貴子さんは、「改装版 決定版 お茶の心」の第二回配本「茶懐石」 (世界文化社)で、茶懐石の料理製作に名を連ねている方。
この本は「超一流の茶人と日本の名料理人が懇切丁寧に解説した茶懐石の決定版」ということで、料理製作者のお名前をみると、以下のような方々。
・辻嘉一(辻留 東京)
・木村淳郎(柿傳 京都)
・木村定弘(柿傳 東京)
・高橋英一(瓢亭 京都)
・栗山友孝(八百善 東京)
・杉浦勝一(八勝館 名古屋)
・栗栖正一(たん熊 京都)
・丸山 吟(枡半 東京)
・河田三郎(つる幸 金沢)
・高橋一郎(和幸 東京)
・中村秀太良(招福楼 八日市)
・村田冨貴子(柏家 東京)
・前田秋信(河文 名古屋)
・岩堀一雄(柏家 東京)
・千 澄子(武者小路千家十三代夫人)
・川上宗鶴(江戸千家宗家十代御母堂)
そうそうたる店、そうそうたる方々ですね。
瀬川家とは、明治時代から4代続くお付き合いということでした。瀬川さんのピチット時代には、お世話になっている料理研究家の先生方を招き、この柏家で、あんこう鍋パーティを開いていたそうです。
この村田冨貴子さん、今は店を閉め、ご家庭に入ってしまっていますが、「わじまの海塩」を気に入って使ってくださっています。
「昆布とカツオのだしをとって、このお塩をひとつまみ入れると、ぐっとうま味がひきたつ」と最初に指摘してくださった方なんですよ。
お吸い物を作るのに、だしをとった後に醤油を少し入れていたのだけど、このお塩を使うようになって、醤油を使わなくなったそうです。
94歳、すべて残っているという歯で、よく伸びるお餅を4つも召し上がっていらっしゃいました。
いくつになっても、新しいものを取り入れ、新しい作り方を試してみる。長生きでお元気の秘訣かもしれませんね。