「ミクニヨコハマ」で神奈川料理学校協会の例会
12月8日、東日本料理学校協会の支部・神奈川料理学校協会の例会があり、参加しました。
場所は、横浜スカイビルの最上階29階、ミクニヨコハマでした。
大きなガラス窓から見える景色が最高です。横浜駅が見下ろせます。
海側。
ミクニヨコハマは、「よこはま地産地消サポート店」です。
横浜の野菜や肉を積極的に使っています。野菜は、こちらの店の料理長が朝採りしてくるのだそうですよ。
三國清三シェフ。お隣りはミクニヨコハマの料理長・難波 秀行さん。パリでの修行帰りだそうです。
食事の前に賛助会員として自己紹介の時間をいただいた私は、「元・昭和電工で脱水シート「ピチット」の事業部長だった瀬川が、退職後に手がけた輪島の塩の事業をひきつぐ形で、2009年4月に富士通をやめて起業しました」とご挨拶しました。
テレビCMなどをしていないので、家庭での知名度は低いんですが、お料理学校では、「ピチット」の知名度は高いんですよ。
また、現在は「ピチット」の事業は、昭和電工からオカモト株式会社に生産も販売も移っているのですが、オカモトさんも賛助会員として、ご挨拶なさいました。
その後、三國清三シェフの挨拶では、ピチット事業の初期のころのこんなエピソードを。
「さっき、ピチットという話が出ましたが、昭和電工として、ピチットシートが全然売れないから、もうやめろと言われていたときに、瀬川さんが僕のところに持ってきたんです。『三國シェフが最後です、三國シェフがダメといったらもうやめます』と言って。
魚が腐るのは、どうしてかというと、あれは、水が腐るんですね。
だから、水を抜くんですが、我々もホテルなんかで脱水すると、水が流れてしまう。そのときに、うま味も流れてしまって、超まずくなるんです。
それで、塩を振ります。ひと塩することによって、水が浮いてくるんです。それが浸透圧の効果なんですけど。そうやって、昔から、塩によって、うま味を残して、水分を抜いていたんですね。
でも、ピチットで、ビニールで水気が抜けるなんて、僕は瀬川さんに、そんなことがほんとだったら革命ですよ、と言ったんです。
そしたら、本当に革命を起こしたんです。
今では、外国でも使ってないところはないです。
あのとき、僕は著作権をとっておけばよかった、と後悔しています」
・・・というお話でした。
ピチットは、正式輸出はされていないのですが、やっぱりいいものは伝わっているんですね。
塩をしないで、水が抜ければ、保存性もよく、味付けは料理人の方々の思い通りにできるので、ピチットは、業務用としての利用が多いわけです。
そして、塩についても、「中道さんが作っているんですけど、とてもいい塩ですよ」とおっしゃってくださいました。
昔、塩の役割は、水気を取り、腐敗を防ぐことだった。では、水気を取る脱水をピチットでしてしまえば、塩の役割は何であるのか?
まさに、ナトリウムやマグネシウムなどのミネラル成分によって「うま味」を生むことなんですね。
能登・輪島で、ピチットの良さに出会い、ピチット加工の干物を作っていた中道肇は、ピチットには精製塩や調味料は合わないと感じ、日本海の海水を使った塩づくりを始めました。
昭和電工でピチット事業部長だった瀬川昌威は、定年退職後に全国の販売店に挨拶に回り、その中道肇の作った輪島の塩に出会いました。
そしてSEだった私は、会社の後輩の紹介で瀬川昌威と出会い、今、中道肇と組んで、輪島の塩の生産販売をし、ピチットの販売も行っています。ネットの申し子・ブログを最大限に活用して。
不思議な出会い、これは、運命のようなものですね。
長くなるので、お料理写真は次のブログでご紹介します。