うま味倍増の原理・いわしの生干し…「わじまの海塩」と「ピチット」で | 橋本三奈子のSalt Revolution(わじまの塩に魅せられて)

うま味倍増の原理・いわしの生干し…「わじまの海塩」と「ピチット」で

昨日のブログで、牛乳にピチットシートをひたすと、たんぱく質の分子は残り、水分だけが吸収されるという実験 を見ていただきました。


輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-水分を吸収する


「わじまの海塩」がたんぱく質分解酵素を活性化させて、うま味を増やし、
「ピチット」が水分と臭みを取って、うま味を凝縮する

のですから、この二つを使えば、うま味倍増の最強コンビ。


スーパーで、丸々太ったいわしを見つけました。頭とハラワタが処理されていたので、躊躇なく、買ってきました。


「わじまの海塩」と「ピチット」の2つの最強兵器を使って、いわしの生干しを作ってみます。


サンマでもサバでも同じ要領です。


(1)イワシに塩を振ります。そのまま置いて、塩を馴染ませます。


輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-いわしに塩を振る


(2)ピチットでつつみます。しっぽが出てても大丈夫。


輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-ピチットで包む


(3)ジッパー付きの袋に入れます。翌日食べるなら冷蔵庫に。翌日食べないなら冷凍庫に。


輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-ジプロックに包む

 
(4)ピチットを外してグリルで焼きます。冷凍したものでも、解凍は不要。そのまま焼けます。
   
(5)できあがり。


輪島の塩に魅せられて大手IT企業を飛び出した女社長の奮闘記-焼けたイワシ

  
うましうまし。醤油をかけずに、そのまま食べられました。鮮魚を焼いたものより、熟成された味というか、コクと深みが出ているんですね。おいしいですよ。


簡単でしょう?でも、この簡単な方法は、とても「理にかなった」ものなんですよ。

その原理を解説していきますね。


(1)塩を振る


従来、魚に塩を振るのは、塩を振ることで、素材の水分や臭みを抜いてから調理するためです。そのときには、真っ白になるぐらい塩を振って、浸透圧で水分を抜いて、塩を洗ってから、調理します。


でも、今回、水分を抜くのはピチットシートの仕事。


だから「わじまの海塩」は、含有するマグネシウムで蛋白質分解酵素を活性化させて、うま味の元・アミノ酸に分解させるために使うのです。


なので、「わじまの海塩」の量は、少量でかまいません。しょっぱい干物とはまったく違う味になります。


(2)ピチットで包む


素材から水分を抜くものとして、塩以外には、砂糖も使われます。ピチットシートに入っているのは、この砂糖、「水飴」なんです。


この水飴が、牛乳実験で見たように、蛋白質のうま味を残して、水分だけを吸収するんです。その吸収力は、100気圧と言われていて、消防車のホースの口先にかかるぐらいの力だそうです。(吸収するのと、吐き出すとの違いがありますが)


(3)ジッパー付きの袋に入れて冷凍する


冷凍するのは、酵素分解が進むと、塩味が消えて甘くなってしまうのですが、それを止める効果があるのです。


そして、ジッパー付きの袋に入れるのは、空気が入って、ゆっくり冷凍されるため、ピチットで水分を吸収させる時間ができるという効果があります。


(4)冷凍のまま焼く


ピチットによって、素材の水分が抜けているので、冷凍のままグリルに入れても、きれいに焼けるんです。身の薄い開きの魚であれば、冷凍のまま、フライパンでゆっくり焼くこともできます。


いかがでしょう? 当たり前の手順のようですが、実は計算しつくされているんです。


なんだか、私がレシピを書くと、お料理というより、サイエンス実験のようですね。誰がやっても同じように美味しくできる再現性がありますよ。


この方法だと、冷凍したもの=質の低いもの、という考えはまったく間違いだとわかります。
   
居酒屋さんなどでは、お客様の注文があったときに焼けばいいので、ロスなし、ですね。


だんな様が急に早く帰ってきて「ご飯、食べる」と言われたときでも、冷凍庫に入れておいたものをすぐ焼けばいいので、簡単です。


そして、きっと、召し上がったお客様やだんな様は、「この魚、うまいね、どこの産地?」とおっしゃるでしょう。素材の魚がそもそも美味しいものだと思われるんですよ。


「わじまの海塩」と「ピチット」で、うま味倍増の最強コンビ。一度、お試しになってみてください。