②「わじまの海塩」の製塩方法~輪島の製塩所より
ここしばらく、輪島から約50kmにある舳倉島(へぐらじま)の製塩所の紹介をしてきました。舳倉島(へぐらじま)の製塩所は、石川県輪島市海士町の経営になります。
今後、供給すべき量が増えていくことなどを考えて、株式会社美味と健康として、輪島市内に、独自の製塩所を作りました。
北陸放送(MRO)さんの取材は、舳倉島だけだったのですが、奥田政行シェフをはじめとする「美食サライ」の小学館の取材陣は、前日、この輪島製塩所も取材されたんです。
外観はこんなプレハブです。能登の震災のときに使った仮設住宅の中古品です。
3月末に建物を建ててから、ここを実験室として、試行錯誤を繰り返し、ようやく製塩設備が完成しました。舳倉島の設備よりも、海水の蒸発速度が早くなっています。
海水は、舳倉島製塩所と同じものを使います。舳倉島付近で取水したものをここまで運んできます。
そして、釜炊きをせず、海水を入れた浴槽の上からランプであて、体温と同程度の温度で、海水を蒸発させていきます。海水が蒸発していって、26%の濃度になってくると、塩が結晶してきます。
こんな塩の結晶が生まれてきています。強い生命力を感じる結晶ではありませんか?
塩というのは生まれてくるときは透明のクリスタル。それがぶつかって割れて、白く見えるのです。「わじまの海塩」のパッケージの中に、ときどき粒が大きいのが混じっていますが、透明なものがあるでしょう?
そして・・・・、釜炊きしないということは、森林から伐採した木の薪を使わないということです。石油を使わないということです。
雄大な能登の大自然。大切にしたいです。
電気エネルギーだけだから、環境破壊もなく、二酸化炭素(CO2)排出もゼロです。自信を持って、「エコ」だと言えます。
近い将来は、この電気エネルギーを太陽光発電で供給したいと考えています。
そして、この、上からランプを当てる方式のもう一つの長所は、生産調整ができるということです。
電気や風を止めると、結晶が止まります。そして、たとえば一晩たって、すっかり浴槽の中の海水が冷えてしまっても、電気をつければ、5分後には、海水の表面が温まり、再度、結晶が始まるんです。
これが、浴槽の下から沸かす方式であれば、いくら40℃未満といっても、お風呂と同じですから、全体の海水が温まるまで、時間がかかってしまいます。
この「上から方式」であれば、電気エネルギーに無駄がありません。
小学館の取材陣の方々も、アル・ケッチャーノの奥田政行シェフも、各地域の製塩所をいくつも見ていらっしゃいますが、この方式を「理にかなっている」「世界に誇れる」とおっしゃってくださいました。
さてさて、製塩設備については、もうこれ以上は説明できません。特許も出しません。詳しく特許に書いてしまえば、アジア諸国に模倣されてしまう可能性が出てきますから。
検索エンジンのgoogle社は、仲間3人、アメリカの西海岸のガレージからスタートしました。
googleは、「世界中の情報を整理して、世界中の人がアクセスできて使えるものにしたい」、そのまっすぐな信念と、圧倒的な技術力をもって、あっという間に、世界中に広がりました。
「美味しくて、かつ、体にやさしい塩を、日本中、いえ、世界中の人に供給したい。そして、高血圧や糖尿病やガン、アトピーや花粉症、さらに、自律神経失調症や欝病で悩む人を減らしたい」
この信念を持って、この輪島のプレハブからスタートしたい思います。