京都の旅館・お食事処「澤食」と辻嘉一さんのおむすび | 橋本三奈子のSalt Revolution(わじまの塩に魅せられて)

京都の旅館・お食事処「澤食」と辻嘉一さんのおむすび

京都の定宿は「澤食」。お茶屋を改造した旅館です。素泊まり6000円。


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祇園の宮川筋というお茶屋通りにあります。



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女将さん(おかあさん)は、90歳近いのですが、昔、昔、おかあさんが女学校に通っていたころ、京都の懐石料理の「辻留」で辻嘉一さんがいらっしゃったころに、向かいの家の2階に下宿していて、お茶会に茶懐石を出す会があって、人手が足りないというときに呼ばれて手伝っていたそうなんですよ。


辻嘉一さんは、お母様が作ってくれたおむすびの思い出を以下のように書いていますが、女将さん(おかあさん)は、その辻嘉一さんのお母様が、店で働く丁稚さんなどのために握ってくれたおむすびも食べたことがあるそうです。


「両手に水をつけ、荒塩を塗りつけ、御飯を取り上げて固くむすびますと、両手の温かみと湿り気と塩によって、霊妙なうま味が かもしだされるのでありまして、ニギリメシ・・・と簡単無礼な呼び方ではなく、「おむすび」と申すべきであります。」

(1976年 辻嘉一著「味覚三昧」より)


医者になりたかったのに、お父様から、「職業婦人はダメ」と言われて断念したというおかあさんは、薬ではなく、食べ物で病気を治したい、という私の思いを理解して、応援してくださっています。


そして、おむすびや、豆ご飯にも、わじまの海塩が「おいしいね~」と。お漬物にも、「わじまの海塩」が欠かせないということです。


おかあさんいわく、京都では、おむすびを、塩と化学調味料で握る人も多いとか・・・。京都の人が知る、昔の荒塩のおむすびのうま味の味が、精製塩だけでは出なくなってしまったためでしょう。


「かもしだす」を漢字でかけば「醸し出す」。「醸す」には、「発酵させて作る」という意味があります。


精製塩が壊してしまった食文化、生んでしまった食文化を思うと、ため息が出ます。早く、なんとかしなければ!!



「澤食」のプロフィール:


住所:京都府京都市東山区宮川筋4-320
電話: 075-561-2179
素泊り:6000円


宿泊でなくても、お食事だけでもOKです。
定休日:火曜日
営業時間: 17:30~22:00

URL: http://www.kyoto-sawai.jp/