「東日本料理学校協会」の「教員資格認定研修会」の講師の顔ぶれ
服部栄養専門学校の服部幸應先生が会長の東日本料理学校協会 。この協会主催で、6月の26日・27日に「全日本料理学校協会 教員資格認定研修会」が開催されます。
ここに加盟している料理学校に通う上級コースの生徒さんが、料理学校の先生になるための資格をとるためには、この研修会に出ることが必須となっています。そのため、関東・東北・北海道から料理学校の先生方が、生徒さんを連れて参加します。
今回の研修会の講師は、創作家庭料理の浜内千波先生、日本料理の実技は『日本料理 いらか』の梨澤六郎社長、イタリア料理は『ロッサーナディサンタ』の三田巌シェフ、中華料理は『 Wakiya. 一笑美茶樓 』の脇屋友詞シェフという豪華な顔ぶれ。
そして、干物についての講義もあります。
その講師は、なんと、元漁師・元水産加工業・輪島の塩士・弊社「美味と健康」輪島事業所長の中道肇。
中道肇。
日本海、早朝、船に乗り、魚を獲って、船の上で裁いて、その船に吊るして干しておく。夕方、戻ってきて、家で焼いて食べる・・・。
「これが旨い」と。「この生干しの魚の美味しさを、漁師でない人にもどうにかして食べさせてやりたいなあ」と。
そこでいろいろ工夫しました。苦労したのが、浜辺で干しているときに寄ってくるハエ。干物にとって、ハエに卵を産みつけられてしまうのが、一番困ること。ハエの来ない温度や湿度などを研究するなど、干物作りはハエとの戦いだったそうです。
それで、行きついたのが、脱水シート・「ピチット」。余計な水分と臭みを取って、うま味を凝縮するシートです。
このシートではさんでしまえば、外で干す必要がなくなるので、天気の心配も、寄ってくるハエの心配もしなくて済みます。熱による酸化も抑制します。
これで、たくさん干物を作りました。当時、ピチットは昭和電工で生産・販売されていたので、昭和電工の営業マンと一緒に全国を実演講習に回ったりしていたそうです。
ところが、当時の精製塩では、うま味が出ない。化学調味料を使うと舌に残って嫌な味・・・。
そのため、日本酒を入れたり、魚醤を入れたりして工夫していたのですが、漁師が食べている生干しの味とは違ってしまう。それなら、いっそ、日本海の海水で塩を作ってみよう、と作り始めたのが塩作りの始まり。そして、さらに、海水を濃縮した水塩に到達・・・。
その中道肇が、ピチットと水塩を使って、能登の漁師の一夜干しの作り方を、料理学校の先生方やその卵の方々に講義する、というわけです。浜内千波先生や、脇屋友詞シェフと並ぶ講師として。
どうなりますことやら。緊張と楽しみが半々な気持ちです。
