『新日本風土記「塩 いのちと心の物語」』(NHKハイビジョンのテレビ番組)
今日の2010年 3月20日(土)午後8:10~午後9:40に、NHKハイビジョン(BShi)で、『新日本風土記「塩 いのちと心の物語」』という番組がありました。
ホームページに掲載されている番組内容は、以下のようなものでした。
命をつなぐ塩。料理の味の決め手となる塩。
汚れをはらい清める聖なる塩。
かつて日本人は、塩を得るために途方もない努力をしてきた。
奥深い山里に塩を運ぶために切り開いた「塩の道」。
塩の品質を高め、大量生産するための絶え間ない技術革新。
日本人がどのように塩に向き合い、こだわり、執念を傾けてきたかを、時空を越えた多彩なエピソードでつづる。
太古から現代まで、日本人の暮らしを貫いて流れ続ける大いなる「塩の物語」。
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この番組、見てみました。実際に、数々のエピソードがありましたが、特に印象深かったこと。
●伊豆大島での塩作り
専売制時代、ニガリ(マグネシウム)の入った塩がいい塩だという理想を追求し、海水を使った製法での塩づくりの実験施設を作り始めたものの、国の許可を得るのに苦労。
許可が下りても、作った塩は廃棄することが条件づけられたそうです。
それでも、粘って、できあがった塩を官能試験として全国の応援者に配布する許可を取り、その際には、「専売塩の批判を一切しないこと」という誓約書を書かされたそうです。
●沖縄での塩作り
沖縄の伝統料理「スーチカー」という豚バラの塩漬けが紹介されました。
「昔の味が忘れられない。ミネラルが残っていてうまい」ということ。
沖縄では、アメリカの支配下にあるときは、独自の塩づくりをしていたのに、本国復帰になり、99%塩化ナトリウムの専売塩を使うようになり、「塩辛いだけで、うま味がなくなった」と。
自由化になり、沖縄だけで今、100種類の塩づくりが行われているそうです。
番組の中では、考察を加えず、淡々と、いろいろなエピソードを流すだけでしたが、こういう専売塩批判の表現ありの内容がテレビ放映されるのは、とても画期的なことだと思いました。
時代は変わっていますね。
