氷詰めの生きたエビが死んでしまったワケ
元・漁師の中道氏から聞いた話。
輪島で、中道氏は、知人から「生きたエビを送ろうと、発砲スチロールの箱に、氷をたくさん入れて、生きたエビを入れて、東京に送ったのだけど、エビが死んでしまっていた。たくさん氷を入れたのにな~。どうしてだろう??」と聞かれたそうなんです。
みなさん、これだけ聞いて、どうしてだかわかりますか?
(私は、エビに病原菌がついていたのかな、などと考えてしまいました。)
中道氏、「あたり前だろ。氷が溶けたら真水になるだろう。エビは海の生き物なんだから、真水に溺れて死んだんだよ。乾燥さえしなければエビは生きているんだから、海水で濡らした新聞紙にくるんで送ればよかったんだよ」って答えた、ということなんです。
この話を聞いて、うへぇって思いました。
築地市場に行っても、輪島漁協でも、氷、氷。
発砲スチロールやコンテナに、氷をたっぷり入れて、鮮魚をそのまま入れています。
確かに、氷は溶けたら真水。真水に海の魚をつけていたら、生きていけないだろうし、とくに、小さい魚だったら、味だって落ちるんじゃないでしょうか。
(生きた伊勢エビやカニは、おがぐずに入っていることがありますが、そういう意味があったのですね)
「新鮮さを保つために鮮魚に氷」という常識。いかに、自分が常識というものに疑問を持たず、聞けば当たり前のことを考え付かなかったかと、反省しました。
(ちなみに、海水で作る氷というのは、すでにあるそうです。でも、まだ導入されているところは、それほどは多くないようです)