美味しい塩加減は約1% | 橋本三奈子のSalt Revolution(わじまの塩に魅せられて)

美味しい塩加減は約1%

魚料理や肉料理において、塩は、食材素材の生臭みをとるという役割があります。
そして、味付けという役割もあります。
でも、鮮度や保存状態によって、また、その魚が旬かどうか、脂の乗りはどうかということによって、
素材そのものが持つ塩濃度が異なるため、塩加減というのがとても難しいものになっています。

美味しい塩加減は、人の身体の塩濃度(0.9%)にほぼ近いもの、約1%と言われています。


食品成分表によると、素材の塩濃度は以下のようになっています。


●魚類
あじ:0.4
あなご:0.4
あゆ:0.2
いわし:0.9
かつお:0.1
かれい:0.4
きす:0.4
こい:0.1
さけ:0.2
さば:0.2
さんま:0.2
したびらめ:0.5
たい:0.2
たら:0.3
にしん:0.3
ふぐ:0.4
ぶり:0.1
ほっけ:0.3
まぐろ:0.1
ます:0.3


●その他魚介類
あさり:1.0
あまえび:0.8
あわび:1.2
いか:0.5
いせえび:0.3
うに:0.5
くるまえび:0.4
しゃこ:1.1
かき:0.7
毛がに:0.7
ずわいがに:0.8
たらばがに:1.4
さざえ:1.0
まだこ:0.7
はまぐり:1.3

ほたるいか:0.4
ほや:3.3


●肉類
うさぎ:0.1
うし:0.2
かも:0.2
きじ:0.2
にわとり:0.1
はと:0.1
ぶた:0.1~0.2
ひつじ:0.1~0.2


●鶏卵
全卵:0.3
卵黄:0.1
卵白:0.5


生で食べるときに、醤油をたくさん使いたくなるようなものと、そのままでも食べられるようなもの、と考えると、感覚と合っているのではないでしょうか。

それにしても、魚の塩分濃度はマチマチで、これが季節や産地によっても違ってくるとしたら、日本料理にとって塩加減はとても難しいもの。
それに比べて、肉類はだいたい0.1~0.2。塩加減というのは簡単ということですね。


だからこそ、西洋料理では、塩の種類にこだわれた。塩によって味の違いが明確にわかったということでしょう。


日本では、魚が中心だったから、塩加減から離れられなかったのでしょう。
塩の種類で、塩加減が違ってくるので、さらに、塩加減が難しくなってしまう、というわけです。

紀ノ国屋のような高級スーパーでなくても、塩売り場には、天然の海水塩や岩塩が並ぶようになってきたのに、
テレビ番組やレシピ本で、今でも、レシピが「食塩」や「塩」としか記載されないのは、再現性を保証すべきレシピだから仕方ない、ということがあるようです。


脱水シート「ピチット」を使うと魚の生臭みや水気が取れるので、塩を味つけのためだけに使えます。
だから、プロに重宝されているというわけです。




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