ガンは冷えを原因とする病気
医学博士・イシハラクリニック院長の石原結實先生の著書『「体を温める」と病気は必ず治る―クスリをいっさい使わない 最善の内臓強化法―』(三笠書房)より、ガンは冷えを原因とする病気であるということを、以下に引用して紹介します。
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なぜ、心臓と脾臓にだけはガンができないか
赤ちゃんは体温が高いので、肌も体も柔らかいが、年をとってくると肌はガサガサと硬くなりし、立ち居振る舞いもぎこちなく、体全体が硬くなってくる。これは体温が下がってくるからである。
皮膚や筋肉や骨が硬いのに、内臓だけが柔らかいということはあり得ず、動作が硬くなってくると内臓もだんだん硬くなり、動脈硬化、心筋梗塞・脳梗塞など、硬い病気が増えてくるのである。
ガンも例外ではない。ガンは漢字で「癌」と書くが、嵒=岩という意味で、癌は「硬い病気」であることを表している。確かに乳ガン、皮膚ガンをはじめ、外からでも触診できるリンパ節のガンなどは石のように硬い。
ということは、ガンもある面、「冷え」を原因とする病気ということができる。
なぜなら、頭のテッペンから足の爪先までガンは発生し得るが、「心臓ガン」と「脾臓ガン」というのは聞いたことがない。
心臓は四六時中休みなく動き、発熱量が多いところであるからだ。心臓の重量は体重の約0.5%程度しかないが、体全体の体温の約11%も熱を作っているのである。また、脾臓は左上腹部の胃底の左後方にある約100gの臓器で、リンパ球や単球(マクロファージ)など白血球の生産を行なっているが、何といっても特徴的なのは、赤血球の貯蔵をしているという点である。赤ちゃんのごとく赤い臓器で温度が高い。つまり、心臓と脾臓は体の中でも体温が高いところなので、「冷え」の病気であるガンにはならないのだ。
逆にガンになりやすい臓器は、胃や大腸、食道、子宮、卵巣、肺といった管腔臓器である。
これは細胞が周囲にしか存在せず中空になっているので、臓器全体としては温度が低い。そのうえ外界と通じているので、さらに温度が下がるのである。外気温のほうが体温より常に低いからだ。
また、乳房にもガンができやすい。乳房は体から突き出ているので体温が低いからであろう。
特に、乳房が大きい人ほどガンにかかりやすいことがわかっている。大きくても小さくても乳房に栄養や酸素を送っている動脈の数は同じ、つまり、血液の供給量は同じなのだから、大きい乳房ほど冷えるということになる。
1957年の日本のガンによる死者数は13万6000人であった。その後、ガンの治療法は手術、放射線治療、化学療法、免疫療法など長足の進歩を遂げたといわれながらも、ガンの死者数はうなぎ登りに増えており、2001年には30万人を超えた。なぜ、日本ではガンによる死者が多いのか。答えは日本人の体温が年々低下しているからである。ガンが熱に弱いことは、これまでの疫学調査やさまざまなエピソードが立証している。
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1978年に、国立予防衛生研究所(現国立感染症研究所)では、「人間の子宮がん細胞を取り出し、32℃から43℃の間で温度変化を与えて、正常細胞と比較してみると、39.6℃以上にした場合、ガン細胞は10日ぐらいで死滅したが、正常細胞は痛手を受けなかった」という実験結果も発表されているそうです。
