健常成人男性では1日に約100mg以上のマグネシウムが不足している | 橋本三奈子のSalt Revolution(わじまの塩に魅せられて)

健常成人男性では1日に約100mg以上のマグネシウムが不足している

今日も引き続き、東京慈恵会医科大学の横田邦信先生の著書「〝メタボリックシンドローム"対策の必須ミネラル マグネシウム健康読本」(現代書林・2006年)から引用して紹介します。


厚生省が制定する栄養所要量の2005年版食事摂取基準では、「食事から摂りたいマグネシウムの量」として
30歳~49歳の男性では370mg、女性では280mgと推奨されています。ところが、国民健康・栄養調査によると、日本人成人男性(30~49歳)の推定摂取量は258~270mg/日という結果となり、1日に100~110mg、摂取推奨量の約25%も、マグネシウムが不足している実態が明らかになったそうです。


そのマグネシウム不足を引き起こした原因として、横田邦信先生は以下を上げています。


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・穀物摂取量の激減、お米の精製もマグネシウム摂取不足を引き起こした
・高脂肪の食事がマグネシウムを大量消費する
・穀物や野菜といった食材自体のマグネシウム減もある
・日本の飲料水には、もともとマグネシウムが少ない事情がある
・ストレスが体内からマグネシウムを失わせる
・アルコールの過剰摂取も、マグネシウムの消費と尿中への排泄を増やす
・粗塩が消え、精製塩の普及もマグネシウム不足を招いた

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日本の製塩史は、マグネシウムを減らす方向に進んできました。マグネシウムは苦味があるので苦汁(にがり)と書くぐらいです。この苦味を排除しようと、精製しすぎてきてしまったあげく、大事なマグネシウムを除去してしまったという皮肉な結果になってしまったわけです。


横田先生はさらに続けます。


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私たち日本人は、長い間にわたり、マグネシウムがなく、塩化ナトリウムの純度の高い塩を"品質の高い塩"と思い、食用に使ってきました。その摂取量は必要と考えられている量の5~6倍にのぼります。それがナトリウムの過剰摂取とマグネシウムの摂取不足になったことは容易に想像できます。
粗塩が食卓から消え、ほとんどの塩が精製塩に代わって約30年が経過しました。くしくも糖尿病、高血圧などの生活習慣病が社会現象になり大きな問題になったのも、ここ30年くらいです。この奇妙な一致は単に偶然でしょうか。
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