「牛乳を飲みすぎると骨粗鬆症になる」――「病気にならない生き方2」より
82歳になる実家の母が近くに住んでいるのですが、2週間前に、転んで、左ひじを骨折し、手術のため、入院していました。今日、無事に退院しました。
一昨年は転んで右手首を骨折、昨年は転んで左肩を骨折。どちらも自宅療養で済んでいたのですが、3回目にして、手術が必要な骨折になってしまいました。
こんなに転んで骨折するというのは、立派な骨粗鬆症(骨そしょう症)ですね。
歳を取ればしょうがないとは思うけれど、骨そしょう症の原因はカルシウム不足だろうと思っていました。
私は、あまり牛乳を飲む習慣がないので、今からもう少し牛乳を飲むようにしなければ、と思いました。
ところが・・・。よく参考にしている新谷弘実先生の「病気にならない生き方2」を、酵素の話をブログに書くときに、読み直していたら、こんな章がありました。
「牛乳を飲みすぎると骨粗鬆症になる」
最大の誤解は、牛乳が骨粗鬆症の予防に役立つといわれていることです。
年をとるとカルシウムが減るので、骨粗鬆症にならないように牛乳をたくさん飲みなさいと言われています。でも、これは大きな間違いです。牛乳の飲みすぎこそ骨粗鬆症を招くのです。
牛乳のカルシウムは、小魚など他の食物に含まれるものより吸収がよいといわれますが、それは少し違います。
人間の血中カルシウム濃度は、通常9~10ミリグラム(100cc中)と一定しています。ところが、牛乳を飲むと、血中カルシウムは急激に上昇するそうです。そのため、一見すると、カルシウムがより多く吸収されたように思いがちですが、この「血中濃度の上昇」こそが、悲劇をもたらすのです。じつは急激にカルシウムの血中濃度が上がると、体は血中のカルシウム濃度をなんとか通常値に戻そうと恒常性コントロールが働き、血中余剰カルシウムを腎臓から尿に排泄してしまうのです。つまり、カルシウムをとるために飲んだ牛乳のカルシウムは、かえって体内のカルシウム量を減らしてしまうという皮肉な結果を招くのです。牛乳を毎日たくさん飲んでいる世界四大農国であるアメリカ、スウェーデン、デンマーク、フィンランドの各国で、股関節骨折と骨粗鬆症が多いのはこのためでしょう。
これに対し、日本人が昔からカルシウム源としてきた小魚や海藻類に含まれるカルシウムは、血中カルシウムを高めるほど急激に吸収されることはありません。しかも、牛乳を飲む習慣のない時代の日本には、骨粗鬆症はありませんでした。現在も、牛乳を飲む習慣のない人や牛乳の嫌いな人に骨粗鬆症が多いという話は聞いたことがありません。小エビや小魚、海藻類は腸内で消化された後、体に必要なカルシウムとミネラル分を吸収するので、体の仕組みに即したよい食べ物といえるのです。
母は牛乳好きで、一日に400mlぐらい飲むこともあるのです。なんてことでしょう。
カルシウム=牛乳っていうのは、常識だったのに。
小魚や海藻などの日本人の昔の食べ物が体に良い、というのはこういうところにもあったのですね。
常識と思われていることが実は違った、というのは、食に関してはよくあること。
塩を仕事にしていると、食の業界と医学が乖離していることをよく感じることがあります。
食については、味や見栄えだけを追求していてはいけない時代になってきたと痛感します。
医食同源・・・医学と食の専門家は、もっと手を学ぶ必要がありますね。
