酵素と塩5:「パイナップル入りの酢豚」の理由
酢豚にパイナップル、好きか嫌いか、意見が分かれることでしょう。
でも、昔から、酢豚にパイナップルが入っているのは、健康上の大きな理由があるのです。
パイナップルには、ブロメリン(ブロメライン)という、タンパク質分解酵素が含まれています。
ブロメリンとは、パイナップルの果汁や葉に含まれる消化酵素で、タンパク質を分解する能力を持ちます。だから、胃腸の負担を軽くし、消化吸収を高める働きがあります。
ブロメリンは、調理の時にお肉を柔らかくし、体内に入ってからも、タンパク質の分解をよくする、という酵素なんです。
ショウガにも、ショウガプロテアーゼというタンパク質分解酵素が含まれています。
「豚肉の生姜焼き」「ステーキにすり生姜」
味のアクセントだけでなく、実に理にかなった調理法なんです。
ダイコンにも、プロテアーゼというタンパク質分解酵素が含まれています。
「さんまに大根おろし」「和風・おろしハンバーグ」
これも理にかなった食べ方ですね。
その他、トマト、ジャガイモ、ピーマン・・、実は、肉料理の付け合わせによく使われている野菜には、タンパク質分解酵素が含まれているものが多いのです。
昔の人の生活の知恵には驚くものがありますね。
この大事な酵素の働きを抑制してしまうのが、塩化ナトリウムなのです。
せっかく、タンパク質分解酵素を含む野菜と肉を調理するときに、塩化ナトリウムだけの食塩を使っていては、意味がありません。
料理において、お塩というのは、塩味をつけるもの、とだけ思っていてはいけません。
お塩は、素材の持ち分を活かすもの=ミネラルです。
そして、「うま味」とはアミノ酸。
タンパク分解酵素が肉のタンパク質を分解して、アミノ酸にするために「うま味」が出るのです。
逆にいえば、それが「本当のうま味」です。「うま味」は添加するものではありません。
そして、タンパク質が分解されているから、消化吸収を助けます。
化学調味料を使わなくても、素材からうま味を出すことはできます。
醤油味や、味噌味のような、濃い味付けにしなくても、うま味を味わうことはできます。
塩化ナトリウム100%の塩だと、これは、かなり難しい。
そう、だから、マグネシウムとナトリウムのミネラルバランスのよい「わじまの海塩」なんです。
「わじまの海塩」なら、美味しいことと、身体によいことは、両立します。
