うま味の受容体は胃にもある | 橋本三奈子のSalt Revolution(わじまの塩に魅せられて)

うま味の受容体は胃にもある

味覚には、「苦味」「酸味」「甘味」「塩味」がありますが、
1908年、今から100年前、旧東京帝国大学の池田菊苗博士が、これらとは独立した別の味覚があると信じて研究を行ない、昆布だしの主成分が「グルタミン酸」であることを発見、「うま味」と名付けました。
ついで1913年に小玉新太郎氏が鰹節のうま味成分がイノシン酸であることを発見、1957年に国中明博士がグアニル酸(のちに干しシイタケのうま味成分であることが判明)がうま味を有することを発見しました。


ところが、いずれも日本人が発見したこともあり、長い間、欧米では、うま味という味の存在は認められていませんでした。


そして、2000年、 アメリカで、舌の味蕾にある感覚細胞にグルタミン酸受容体が発見され、

ようやく「うま味」が国際的に認知され、今では、「苦味」「酸味」「甘味」「塩味」「うま味」の5味

が基本味と言われるようになったそうです。


最近の研究では、舌だけでなく、胃にもうま味の受容体が存在することがわかったそうです。

胃に食物が入り、胃の受容体がうま味物質(グルタミン酸)を受け取ると、その情報がまず神経を介して脳に伝わり、次に、脳から胃へタンパク質の消化吸収を始めるための指令が送られる、ということです。


グルタミン酸というのはアミノ酸。タンパク質が分解されたものです。

ということは、胃での消化が始まる前、食物が胃に入ってくる前に、すでにある程度、タンパク質は分解されている必要があるということですよね。


発酵食品は身体によい、とよく言われますが、発酵食品は口に入る前に、すでに消化分解されているので、胃に負担がかからないという点も大きい長所なのでしょう。