辻嘉一さんの塩のおむすび
懐石料理で有名な「辻留」の二代目ご主人・辻嘉一氏の著書に、塩とおむすびの話が載っています。
・『味覚三昧』(1975年)より
辻嘉一氏の時代の「荒塩」は、当時の日本の海水で作った塩。炊きたてのご飯とミネラルバランスのよい塩が交じり合うことで生まれる"うま味"。ただの「塩味」ではありません。辻嘉一氏のおむすびを、ぜひ、ご自宅で、"うま味の塩"「能登・わじまの海塩」を使って再現してみてください。
・『味覚三昧』(1975年)より
日は産巣(読んで字の如く、産み出す巣)であり、万物はこれによって生じます。・『五味六味』より
産巣日の神秘が、食べ物にも通じて、神秘的な美味しさの生れるご飯を「ムスビ」と云います。
両手に水をつけ、荒塩を塗りつけ、御飯を取り上げて固くむすびますと、両手の温みと湿り気と塩によって、霊妙な旨味がかもしだされるのでありまして、ニギリメシ・・・と簡単無礼な呼び方でなく、「おむすび」と申すべきであります。
たとえば、ご飯のおむすびをつくる時、両手を水に濡らして、荒塩をつけ、ぬくもりのあるご飯を両手でむすびますと、別趣のおいしさが生まれます。ごく短時間に生まれる美味であり、不思議なおいしさが誕生いたしますので、この事実は、神秘的とさえ言えるのではないでしょうか。木型で押しだしたおむすびの形のご飯と食べくらべてみられると、はっきり味の違いを発見されます。
辻嘉一氏の時代の「荒塩」は、当時の日本の海水で作った塩。炊きたてのご飯とミネラルバランスのよい塩が交じり合うことで生まれる"うま味"。ただの「塩味」ではありません。辻嘉一氏のおむすびを、ぜひ、ご自宅で、"うま味の塩"「能登・わじまの海塩」を使って再現してみてください。

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