お菓子の上手な使い方…by 店主
私どもの売っている『山吹色のお菓子 』、
メインクライアントはやはり、悪徳商人さまです。
悪徳商人が悪代官にこっそりとワイロを渡し、商売が有利になる様取りはからってもらったり、
利権を独占できる様にするための根回しをしていただきます。
時代劇でお馴染みの、悪代官と悪徳商人のやりとりではありますが、
よく考えると、かなり勇気が必要なきっかけ作りが必要です。
考えてみると賄賂のやりとりにはお互いの意志の疎通が大切です。
悪徳商人にしてみれば、お代官様から「悪代官の○○です」と自己紹介される
わけではありませんから、賄賂を受け取ってもらえるのか?渡した賄賂も見返りが
得られるほど効果があるのか?さっぱりわからないはずです。
どう見ても悪人面だからと言って悪人とは限りませんから、「この人なら大丈夫」と
勝手に思い込んで賄賂を渡したら「何のつもりだ?こんなもので私を買収するなど
以ての外じゃ!」と、いきなり番所へしょっぴかれるって事にも…
なんたって、お代官様の役目として治安維持も兼ねてますからね。
その逆も、かなり慎重にならざるを得ません。
お金持ちの商人から接見の申し出があり、料亭でお食事でも…と誘われたので、
てっきり賄賂でももらえるんじゃないか?と期待に胸を膨らませて行った悪代官…
期待とは裏腹に、領内の商業のあり方と今後の商い活性化のシンポジウム的な
会合だったりして、とても賄賂をよこせと言えないような真面目なムード…
勇気を振り絞って「そろそろ例の物は?分かっておろう?」とそれとなく賄賂を
要求したものの…「またまた、お代官様もご冗談がお好きで…」とはぐらかされ…
『チキショー!何だよ!思わせぶりな料亭に呼び出しておいて、何にも無しかよ!』
と、空振りに終わる事もあるでしょう。
善人同士なら、誰にはばかることなく自分の考えや主張を公言できますから、
賛同する人間と意気投合するのはそれほど難しくはありません。
そうです、悪人同士の意志の疎通は、かなり難しいのです。
ましてや、お互い地位や名誉、財産が人並み以上の悪人ですから、
ヘタすると全てを失うリスクも考えて腹のさぐり合いです。あーめんどくさい!
現代でも、同じ様なものかも知れません…
そこで、腹のさぐり合いに一躍かうのが『山吹色のお菓子 』!!!!
笑ってジョークで逃げるのもよし!これをきっかけに、親密な関係を築くもよし…
『山吹色のお菓子』を渡して、相手の出方や、目の奥に見え隠れする本心を探りましょう!
いやー、今日も話のオチが『山吹色のお菓子 』に無事着地しました。
お後がよろしいようで…