私の病気に対する考え方です。
ALS罹患は、一種の「エラー」だと思っている。
「誤作動」「バグ」。

自然界では、生物、植物は100%正常に育つわけではない。
奇形、障害、先天性の疾患、必ず一定数出てくる。
お米もはすべて正常には実らない。
穂の中が空っぽだったり、病気で育たなかったり。
人間も同じ。
全ての人は天寿を全うしない。
病気、事故、事件に巻き込まれる、と命を落とす。

ALSは重い難病であるため、
「なぜ自分が?」
「なぜ何も悪いことをしていないのに?」と
思う人もいるかもしれない。
また、花粉症と比べても重い病気のため、完治しないことに絶望するかもしれない。
でも、自然界、自然の摂理においては、花粉症に罹ることもALSに罹ることも同じ意味だと思える。
それぞれに「エラーが起きた」のだ。
ALSに自分がなったことは、何か意味があるとか何か理由があるとかではなく、たまたまだ。
私がならなくても、隣に住む人がなっていたかもしれない。
真面目に生きてきた人が難病にかかり、チャランポランに生きているあの人が健康なのはなぜ?と思うこともあるかもしれない。

一定数の難病患者がいるから、健康に生きられる人もいる。
自然の摂理においては、自分がなろうと誰がなろうと、同じ意味だと思う。
なぜ自分が?と思う必要はない。
平等に偶然、自然の摂理に招かれただけ。

人間は「考える葦」であり、「無知の知」を理解している存在でもあると思う。
世の中、世界にはまだまだわからないことばかり。
もちろん、私は罹患してよかったとは思っていない。
禍福は糾える縄のごとし。
良いことも悪いことも半分半分。
そう思って生きてゆくことにした。