飼い主さんと動物の
架け橋を作り支える獣医師
かわの わいちろう
です

 

 

 

はじめましての方は

獣医師《かわの わいちろう》について
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獣医師 《かわの わいちろう》について

 

 

《獣医師かわの わいちろう》

 

◆飼い主さんに寄り添って20年

◇町医者(総合診療医)だからこそ出来る事がある

◆獣医療をより身近に感じて頂けると幸いです

 

飼い主さんにとって、動物にとって

自分の経験を活かし何か出来る事はないか。

 

飼い主さんと動物の架け橋を作り支える為に

 

現在獣医師臨床現場その他も含め活動中

 

 

リンパ腫ってどんな病気? 

 

 

往診を始めて間もないですが、

すでに2件のリンパ腫に遭遇しました。

 

 

 

 

1件はすでに診断ができており、

往診による緩和ケアを行いました。

 

2件目は往診先で

細胞診を行い診断しました。

 

犬でも猫でも、

決して珍しい病気ではないリンパ腫について、

改めてお話ししようと思います。

 

 

 

 

白血病とは異なる病気 

 

 

リンパ腫とは、

白血球の一種であるリンパ球が腫瘍化し、

増殖していく病気です。

 

 

 

 

白血病ですか?

と聞かれる事も多いのですが、

それとは異なる病気です。

 

白血病は

血液中で白血球が増殖する病気である事に対し、

リンパ腫は増殖する場所に型があります

 

 

 

 

リンパ腫の型とは? 

 

 

リンパ腫は、

その腫瘍化したリンパ球が

主にどこで増殖するかで型がきまります

 

 

 

  • 消化器型リンパ腫(消化器のリンパ腫)
  • 前縦隔型リンパ腫(胸の中のリンパ腫)
  • 多中心型リンパ腫(全身のリンパ節で同時多発的に発生するリンパ腫)
  • 皮膚型リンパ腫(皮膚にできるリンパ腫)
  • 鼻腔リンパ腫(鼻の中にできるリンパ腫)
  • 神経型リンパ腫(脳や脊髄のリンパ腫)など

 

このように、

どこに主な病変が存在するかで、

〜型リンパ腫と名前が変わってきます。

 

 

 

 

リンパ腫の細胞にも型が存在 

 

 

一方で、腫瘍化し増殖する

リンパ球自体にも2つの型が存在します。

 

 

 

 

B細胞T細胞

これらの2種類のうち、

どちらが腫瘍化したかで、

予後(延命期間)が変わってきます

 

これは、遺伝子検査で調べる事ができます。

 

調べても調べなくても

治療法は大きく変わりませんが、

予後を推測する上では重要な情報です。

 

 

 

 

基本的には抗がん剤治療 

 

 

リンパ腫の治療は、

基本的には内科的に行う抗がん治療になります。

 

 

 

 

例外として、

消化管にできたリンパ腫によって

消化管に穴が開いている場合は、

まずはその穴を閉じる手術を行い、

手術後、抗がん治療を始めることになります。

 

 

 

 

抗がん剤にはいくつかのやり方があります。

  • 積極的に抗がん剤治療を行うパターン
  • 緩和的に抗がん剤治療を行うパターン
  • 抗がん剤ではなくステロイドを用いるパターン

どのパターンを行うかは、

通院頻度、治療費、その子の性格など、

いくつかの要因によると思います。

 

 

 

 

ステロイド単剤でも効果はありますが、

その効果は一時的で延命できても1〜2ヶ月

のことが多いです。

 

積極的に行えば数ヶ月〜半年以上、

まれに1年以上の延命が期待できますが、

費用はかなり高額になります。

 

 

 

 

抗がん治療といわれるものに、

あまり良い印象はない方が多いと思いますが、

リンパ腫に限ってはとても効果的で、

副作用も比較的軽度です

 

 

完治ではなく寛解を目指す 

 

 

前項で「延命」という言葉を用いました。

 

理由は、

リンパ腫が完治する事が非常にまれだからです。

 

 

 

 

リンパ腫の場合、抗がん治療を始めると、

1〜2週間でリンパ腫が消えてなくなり、

以前の元気な状態に戻る事があります。

 

しかしこれは、治ったのではなく、

「寛解」と言って、

一時的にリンパ腫を抑えている状態にある

と言えます。

 

 

 

 

つまりリンパ腫の治療とは、

この「寛解」している期間を

いかに延長できるか

という治療になるのです。

 

 

まとめ 

 

 

今回はリンパ腫についての

解説を行いました。

 

  • 白血病とは異なる病態
  • リンパ腫には多くの型が存在
  • リンパ腫の細胞にもBとTの種類がある
  • 抗がん剤治療はとても効果的
  • 寛解はできても完治は難しい
このようにまとめられると思います。
 
 
 
 
リンパ腫による治療は
基本的には抗がん治療になります。
 
効果的ではあるのですが、
費用面でかなり高額になるのも現実です。
 
しかし自由診療である動物病院では、
病院ごとの抗がん治療の金額が
大きく異なることも現実です。
 
 
 
 
どちらが良し悪しではありませんが、
抗がん剤という
それ自体リスクのある薬剤を取り扱う事を考えれば
ある程度高額になる事も仕方のない事かもしれません。
 
その昔、
抗がん剤を素手で取り扱っていた先生自らがリンパ腫になり、
そのリスクを後学に伝えていた事を思い出します。
 

 

次回更新は、5月3日(水)予定です。

 

 

 
 
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