飼い主さんと動物の
架け橋を作り支える獣医師
かわの わいちろう
です

 

 

 

はじめましての方は

獣医師《かわの わいちろう》について
ご覧下さい。

 

獣医師 《かわの わいちろう》について

 

 

《獣医師かわの わいちろう》

 

◆飼い主さんに寄り添って20年

◇町医者(総合診療医)だからこそ出来る事がある

◆獣医療をより身近に感じて頂けると幸いです

 

飼い主さんにとって、動物にとって

自分の経験を活かし何か出来る事はないか。

 

飼い主さんと動物の架け橋を作り支える為に

 

現在獣医師臨床現場その他も含め活動中

 

 

考えられる病名は?治療は? 

 

 

インスタライブ

次のような質問を頂きました。

 

「左後肢を地につける事ができません。考えられる病名と治療法、投薬について教えてください。」

 

 

 

 

突然後ろ足をつかないと言う症状

明らかに痛がっているなら受診すべきですが、

そうでない場合に緊急性があるのかないのか?

 

今回は、

「後肢に起きうる病気」

について解説します。

 

 

 

 

主なものは整形外科系の病気 

 

 

後肢に起きうる病気には、

  • 関節
  • 靭帯

と言った、整形外科系の病気がほとんどです。

 

 

 

稀なものとして、

  • 多発性関節炎(自己免疫系の病気)
  • 骨肉腫(腫瘍系の病気)
などの整形外科以外のものも存在しますが、
今回は頻度の高い整形外科系について
例を挙げていきます。
 
 

 

 

骨折やヒビ 

 

 

明らかな骨折であれば

相当な痛みを伴いますので、

すぐに病院に連れて行かれる事でしょう。

 

レントゲンで容易に診断できるでしょう。

 

 

 

 

問題は、指先の骨折やヒビが入っている場合です。

 

例えば足の指が一本折れている程度なら、

軽くかばう程度で歩行可能な事もあります。

受診が必要か迷うところではありますが、

続くならやはりレントゲンを取るべきです。

 

程度により包帯固定、

ギプス固定、手術よるプレート固定など、

治療法は様々です。

 

 

 

 

膝蓋骨脱臼 

 

 

膝蓋骨とは、いわゆる膝のお皿の骨です。

 

小型犬で多く見られる病気ですが、

程度によって無症状から痛みを伴うものまで様々

です。

 

 

 

 

膝蓋骨は膝の動きに合わせて

基本的には縦方向にしか動かないのですが、

この病気の場合は主に

内側に道を外れてしまいます

 

 

 

  • 外れた時に強い痛みを感じる子
  • 外れても何の痛みも感じない子
  • 外れっぱなしで関節が捻れて痛がる子
足を着かない程度、痛がる程度は様々ですが、
道を外れた膝蓋骨が
自然に元の位置に戻るケースも多いです。

 

外科的な手術まで必要な事は少ないですが、

膝に抱えた持病として

付き合っていく必要があります

 

 

 

 

前十字靭帯断裂 

 

 

膝の中にある前十字靭帯と言う

太い靭帯が切れてしまう病気です。

 

 

 

 

加齢とともに、

靭帯の老朽化に伴い切れるべくして切れる

ケースが多いと思います。

 

部分的に切れる部分断裂の場合は、

消炎鎮痛剤を飲みながら安静にする

内科的な治療になります。

 

完全に切れてしまう完全断裂の場合

基本的には手術適応になりますが、

小型犬では内科治療で経過を見る場合もあります。

 

 

 

 

股関節脱臼、レッグペルテス 

 

 

膝蓋骨や前十字靭帯といった

膝の病気だけでなく、

股関節の病気も少なくありません。

 

 

 

 

股関節脱臼は代表的なものの一つです。

 

股関節が脱臼している状態ですが、

脱臼を整復しても再脱臼することが多く、

手術適応になることが多いです。

 

 

 

 

もう一つはレッグペルテスです。

 

これは、股関節の骨の一部が壊死する病気で、

プードルに比較的多い病気です。

強い痛みを伴う進行性の病気で、

こちらも手術適応になることが多いです。

 

 

 

 

まとめ 

 

 

今回の質問は、

 

「左後肢を地につける事ができません。考えられる病名と治療法、投薬について教えてください。」

 

と言うものでした。

  • 骨折やヒビ
  • 膝蓋骨脱臼
  • 前十字靭帯断裂
  • 股関節脱臼
  • レッグペルテス
  • いずれも程度によって消炎鎮痛剤&安静〜外科的手術まで対応は様々
とまとめられると思います。
 
 
 
 
骨や関節の病気について言えることは、
内科的にはもちろん、例え外科的治療を行っても、
100%元の状態には戻らないと言うことです。
 
生活にどの程度支障が出ているか、
持病として付き合っていけるレベルかどうか、
これらの事を踏まえ、
治療法をよく検討してもらえればと思います。
 
 
 

 

次回更新は、3月15日(水)予定です。

 

 

 
 
獣医師 かわの わいちろうを
よろしくお願いします!