飼い主さんと動物の
架け橋を作り支える獣医師
かわの わいちろう
です
《獣医師かわの わいちろう》
◆飼い主さんに寄り添って20年
◇町医者(総合診療医)だからこそ出来る事がある
◆獣医療をより身近に感じて頂けると幸いです
飼い主さんにとって、動物にとって
自分の経験を活かし何か出来る事はないか。
飼い主さんと動物の架け橋を作り支える為に
現在獣医師臨床現場その他も含め活動中
四肢が力なく立ち上がれない、、、
インスタライブで
次のような質問を頂きました。
「僧帽弁閉鎖不全症の末期の症状に、四肢が力無く立ち上がれなくなるという事はありますか?」
僧帽弁閉鎖不全症は、
特に小型犬に多くみられる心臓病です。
立ち上がれないと言うのは
心臓病の症状の一つなのでしょうか?
今回は、
僧帽弁閉鎖不全症の症状
に関してお話ししていきます。
四肢に力が入らなくなる症状について
足に力が入らなくなるのは、
体にどんな事が起きていると
考えられるでしょうか?
一つは、足自体の問題だと思います。
つまり、
- 足の筋肉
- 骨
- 関節
これらの運動器に異常があれば、
痛みによって力が入らないように
見える可能性があります。
もう一つは、神経の問題。
足の筋肉を動かしているのは、
神経系です。
神経に異常があれば、
麻痺によって足に力が入りません。
それでは、
循環器の異常から、
このような四肢の
起立不能は起き得るのでしょうか?
僧帽弁閉鎖不全症の症状について
僧帽弁閉鎖不全症は心臓病、
つまり循環器の問題です。
循環器の症状で良く見られるのは、
- 咳;心肥大によって拡大した心臓からの振動が、直接気管に伝わり咳が出ます
- 呼吸促迫;肺水腫による換気不良が原因で、苦しくて呼吸が速くなります
- チアノーゼ;換気不良の進行による酸素不足が原因で、舌が青紫になります
循環器の異常による起立不能を考える
血液の流れ、血液の状態に
何かしらの異常が生じて
立てなくなる事態を想像すると、
- 血圧低下によってふらついて立てない
- 血圧低下や不整脈によって意識が無くなる
- 心臓でできた血栓が足の血管に詰まって血流が止まる
まとめ
今回の質問は、
「僧帽弁閉鎖不全症の末期の症状に、四肢が力無く立ち上がれなくなるという事はありますか?」
でした。
- 四肢の力が無くなるのは、運動器や神経系の問題
- 循環器が原因で、四肢の麻痺が単独で現れる事は考えにくい
- 循環器が原因なら、意識レベルの低下など他の症状を伴う
僧帽弁閉鎖不全症は、
日常の診療で本当によく見られる
心臓病になります。
慢性経過で進行する子も入れば、
急性に悪くなり命を落とす子もいます。
なので、ちょっとした症状の変化でも
とても心配になると思います。
大事な事は、
- とにかく穏やかな生活を送ること
- 呼吸促迫などの症状が出た時は、すぐに病院へ行くこと
- 夜間でも連れて行ける病院を調べておくこと
になると思います。
私のインスタグラムでは、
定期的にインスタライブを行い、
フォロワーさんからの質問に回答させて頂いてます。
私の回答が少しでもお役に立てれば幸いです。
次回更新は、1月27日(金)予定です。