飼い主さんと動物の
架け橋を作り支える獣医師
かわの わいちろう
です
《獣医師かわの わいちろう》
◆飼い主さんに寄り添って20年
◇町医者(総合診療医)だからこそ出来る事がある
◆獣医療をより身近に感じて頂けると幸いです
飼い主さんにとって、動物にとって
自分の経験を活かし何か出来る事はないか。
飼い主さんと動物の架け橋を作り支える為に
現在獣医師臨床現場その他も含め活動中
一見元気に見えても、、、もしかしたら病気かもしれません
- よく食べる
- よくお水も飲む
最近うちの子以前より何だかとても、
元気なんです!!!
動物が、元気に食べたり飲んだりする姿を見ると、
ホッとしますし、嬉しくなりますよね。
しかしその元気、
もしかすると病気かもしれません。
今の状況を聞いて、
獣医の頭に真っ先に浮かぶ病気が実はあります。
その病名とは、、、
副腎皮質機能亢進症
(ふくじんひしつきのうこうしんしょう)
普段聞きなれない漢字が、たくさんです。
- 副腎(と言う臓器の)
- 皮質(と言う場所から)
- 機能(=ホルモンが)
- 亢進(通常よりたくさん出る)
- 症(病気)
このように漢字を分けて考える事で
わかりやすいと思います。
別名「クッシング」とも呼ばれます。
この病名だったら、聞いた事がある!
という方も、いらっしゃるかもしれません。
そして、副腎?それは何?
中々耳にしない言葉になりますので、
初めて聞くという方もいらっしゃると思います。
今回は、この病気について説明をさせて頂きます。
副腎皮質機能亢進症とは?
副腎?どこにあるの?
中々耳にしない臓器の一つになりますよね。
内臓の一部である腎臓。
腎臓の内側にある、
米粒ほどの小さな臓器が副腎です。
とても小さな臓器にも関わらず、
ものすごく重要な機能を持っています。
この副腎が出すホルモンの中の一つに、
え?ステロイド?
驚く方もいらっしゃると思います。
ステロイド=副作用が心配
このようなイメージを持っているという方も
多いからです。
ステロイドは、確かに副作用の懸念もありますが、
医療においては重要な薬剤の一つである事は、間違いありません。
使い方によっては、非常に有効なお薬になります。
病気の種類によっては、ステロイド抜きでは治療が困難なものもあります。
しかし使い方を間違えれば、
副作用で様々な悪影響があることも
間違いありません。
体内で作られる、今回のステロイドも同様です。
適量であれば体に非常に有益であり、必要なものなのです。
しかしこれが過剰に出てしまうと、、、
体に様々な悪影響が出てしまいます。
このステロイドが出過ぎてしまう病気が
「副腎皮質機能亢進症」です。
副腎皮質機能亢進症の症状と治療について
この病気の症状は、
薬剤であるステロイドの副作用と、
同じものになります。
症状の例を挙げると、
- 多飲多尿(たくさんオシッコが出るから、喉が乾いてたくさん飲む)
- 多食(食欲が異常に増す)
- 呼吸がいつもハアハアしている(血栓により肺機能が低下している)
- 薄毛(痒みを伴わない、左右対称の脱毛)
- 皮膚菲薄化(皮膚がうすく弱くなる)
- 糖尿病になりやすい
- 膵炎を起こしやすい、、など。
治療に関しては、稀なケースを除いて、
ステロイドを抑えてくれるお薬を飲むことになります。
完治させる!という考え方よりは、
お薬を上手に使い、
病気と付き合っていく形を取ります。
病気を早期発見するには、、、
先ほど挙げた、いくつかの例の中で、気を付けて頂きたいのが
「多飲多尿」
実は、腎不全、糖尿病、肝不全、子宮蓄膿症など、
他の病気でも真っ先に見られる症状だからです。
どの病気も、
- たくさんオシッコが出る
- その結果、たくさんお水を飲む
これが大事な、ポイントになります。
これらの病気を持った子の病状が進行したり、
または別の理由でお水が飲めなくなったとします。
飲めなくなったとしても、オシッコは出続けるんです。
結果、どうなるでしょうか?
あっという間に
脱水を起こしてしまいます。
つまりこれらの病気を持った子達は、
常に脱水を起こしやすい状況にある、と言う事です。
体にとって、
脱水は非常にダメージが大きいです。
- 最近、すごく食事を欲しがるなぁ
- お皿の水が空っぽに!こんなこと初めて
- なんか、今までと違う、、、
今回は、副腎皮質機能亢進症を例に、
説明をさせて頂きました。
このブログを読んで頂いた飼い主さんが、
大切な動物の異変に、
少しでも早く気付く事が出来ますように。