【準備室にて】




なんて話したらいいやら
思考が止まってしまってる。

そしたら二宮が笑った。




「…ごめん、大丈夫?」

「うん。アナタともっと凄いことしたじゃん」

「それは…そうだけど」




相葉くんがしたの、キスだけだし
大丈夫って言えば大丈夫だろうけど。




「なんで怒ってんの?」

「…怒ってないよ」




二宮の隣に座った。




「もっかい言って?カッコよかったから」

「なにを?」

「二宮は俺んだって」

「…言った?そんなこと」

「うん」




期待してる目を向けてる。
だって…そうじゃん?
数分前までは…俺とお前だけの世界だったのに。




「だって俺んだろ?二宮は」

「…どうかな」

「そこは『うん』だろ?」

「先生が俺だけにしたら…考えてもいいけど」

「今はお前だけだよ」
 
「ズルい…なら俺も今はアナタのものだよ」




そっか。
そういう事だよな。
…まぁ納得せざるを得ないよね。

でも今は俺のものだよ、やっぱり。
相葉くんに、触らせるなんて
ダメでしょ。まじで。



「もうソロ下校時間じゃない?」

「…まだ帰したくないな」

「あら」




二宮に触れるだけのキスをした。
そしたら二宮からもキスしてくれた。

目が合って、ふふって笑って。




「とりあえず帰りましょ」

「…そうだな」




身なりを整えて、なんの言葉も
交わした訳じゃないんだけど
助手席に二宮を乗せて家路を急いだ。