【数学準備室】



「それで、どうだった?二宮くん」

「…良かったんだわ、マジで」

「えー?まー初めていいよね」

「いや…初めてじゃ…なかったんだそれが」

「え?」





相葉くんに、起こった色々を
喋ってるんだけどさ。

二宮は教室にいたらマジで目立たなくて
暗くて喋らないし。進学校にはよくいる
陰キャだと思ってたからさ。
俺らの触手も動かないっていうか…。
あの時二宮がここに来なかったら
話しかけもしなかったかもしれない。

けど、実際は違った。
雰囲気めっちゃあるし、なんなら
それ職業かと思った程だし
前髪上げたらカワイイし。
何より俺がまた誘うって。





「え?誘った?」

「マジ良いんだって」

「…え、どんな感じ?」

「どんな…いやマジで相葉くんにも
味わって欲しいけど…」

「えーでもこれで行ったら絶対バレるよね」

「うん…バレてるかもしれない」




なんか二宮、オレのこと噂では
色々知ってたしなぁ。
相葉くんの事も知らなくはないかも。





「二宮の反応、かなり大人だったから
行けなくはないけど…もう少し俺の」

「…マジそんなに?良かったんだ?」





ヤバいな、相葉くんに興味持たせちゃった。
二宮も「いいけど」とか言いかねないし
話題…逸らさなきゃ。





「相葉くんは?渡辺どした?」

「マジ落ちたから、そろそろやめとくわ」

「…可哀想だなぁ、相変わらず」

「そこまでが楽しいんじゃん!」





俺はどっちかといえば、ヤレたら
終わりで、相葉くんは落ちるまで
粘るんだけど、その後捨てちゃうから。





「翔ちゃん松潤も構ってあげなよ?」

「あー松本ね。松本のが初めてだったわ」

「構ってあげたんだ?初めてだったの?」

「そう。久しぶりの初モノ」

「くふふ。」





会話だけ聞いても、俺らなかなか
サイテーな教師だなって感じるよね。