はぁ…。
ため息ばっかついてんな、俺。




「和、帰ろー。」

「あーうん。帰ろー翔ちゃん。」




高校生活ってさ、もっとキラッキラしてる
もんじゃないのかなって思ってたけど
実際過ごしてみるとあっという間に3年だし
そんなキラキラだけでやってけるもんじゃ全然無かった。



「先生、さよーならー」

「先生ばいばーい」

あーあの辺に大野先生居るんだって 
他の生徒の声で解る。
大野先生、人気あるからな。




「先生また明日ね」

「おぅ、またなー。」

「先生さよーなら。」




大野先生と話すのは挨拶だけで他の事は
なーんにも喋んない。





「和…またため息ついてる。大丈夫?」

「え?…別に何も無いけど」

「ならいいけど。なんかあったら言って。」

「ありがと、翔ちゃん。」




翔ちゃんは幼なじみでずーっと
一緒に過ごしてる。
学校だけじゃなくて、部活だって
塾行ってた時だって一緒。




「和には俺がいるだろ?」

「解ってるよ翔ちゃん。ありがと。」

「解ってるなら宜しい。」



帰んのもずっと一緒。
まー他の奴とも遊ぶんだけど…
翔ちゃんとが居心地が良いから。




「後で宿題やんない?」

「宿題あったっけ?」

「やっぱ聞いてなかったな?」

「んふふ。聞いてなかった。やる。」