秘書side




「どうしよっか?」




社長が、服を正しながら
話しかけてきた。




「明日から、絶対ココでニヤニヤする。」

「…だっ…だから会社ではダメって…」

「え?…ニノもヤル気だったよね?」




そう…だったかもしれないけど。
もう、そんなこと忘れちゃったもん。




「翔さんは、俺のじゃないの?」

「ニノが良ければ、ニノのものだよ。」

「…ふぅん?」




目が合うと、ちょっと翔さんは
はにかんだような笑いを浮かべた。




「何?…俺の事も消毒する?」

「…いや、いいです。」

「なんでよ? してよ。どこ?」




なんだか 追い詰められそうで
最後のネクタイを拾って、社長室の
ドアを開けた。




「…だっ…から、ココ…会社ですって。もう…帰りましょ?」

「お。帰って、する?よし。行こ?」

「…え?あ、ちょっ…しませんよ?社長っ!」

「おいてくぞー。」

「あ!それワタシの車のっ…!」




社長はワタシが帰る支度をして
机に置いておいた鍵を持って
先に部屋を出ていった。




…ちょっ…