まず誤解しないでいただきたい。

俺は普通の男で、毛利近所の友達知り合い誰に聞いても、同じ答えが返ってくるほどの女好きだということ。

幼い頃、母方の実家によく連れられて行った。

今考えると、高校生くらいのお年頃のお姉さまや、お姉さまと歳の近い叔母、そして母の姉妹、年下のいとこたち。

ものすごく女性に囲まれていた。

母は何を血迷ったか、髪を長く伸ばさせ、今でいうボブのような髪型にし、ピンクや赤のシャツなど、それはまあ女の子のような格好をさせられて育てられた。

昭和の男の子のイメージから考えると、坊主頭やスポーツ刈りみたいなのが男の子の髪型という印象があるけど、記憶に残っている出来事や写真を見ると、女の子のような髪型をさせられている自分の姿に吐き気がする。

記憶の古い部分では、2歳なのか3歳なのか、そのくらいから小学校に入るまでは、そのような髪型や服装をさせられていたという悲しい事実が残っている。

その年齢では、自分でこの髪型が嫌だとか意思表示ができず、ただ母の好みの髪型や格好をさせられ、それに機嫌を取るようにニコニコしているしかなかった。

今考えると、自分に対して腹も立ってくる。