新設した神社脇での公民館、これが私の最後の班長としての仕事になる。この一年半ばに父を亡くしたがそれ迄はまさに時間との戦いを与儀なくされた。まあ葬儀では一方ならぬお世話になったのだからそれ以降は義理は欠かせなかったのだが面倒な事は年の前半にすませていた。確かに何もかも新しい建物。六百万円の積立金に町内会内にて寄附を募って一千万円、うちも福沢諭吉を捧げる事になった。県と市から一対二の割合で補助金、地元の信用金庫からの借金を返してそれでも五百万円の借金が残る。これは会長と二人の副会長が保証人で八年返済。五月に年次総会がありそれで私は班長としてお役御免だ。思えば三月の役員会に出席していたのだから班長としての一年任期はどうなっているのだろうか。ただこの役員会の内容は五月の年次総会のおさらいで数十頁の資料を網羅。二時間半は費やす。でもその年次報酬が会長・副会長で二万七千円、町内会の全ての行事に関わり、公民館建設の事業を全て成し遂げ、これだけの年次資料を作ってしかも先の借金の保証人だ。割りに合わない。班長の年次報酬は五千円。集金に配布物、委任状の取り付け。納得は行く。因みに町内会の年金費は一軒四百円、先の公民館新設で値上げなしによくぞ乗り切ったものだ。ただそれでも寺の敷地内にあった旧公民館の解体費用が百万円は高いとの異論出る。現状復帰が条件となっており浄化槽や基礎工事部分の撤去も含むと言う。これだけの作業はさすがに自分で事業をしていなくてはちと無理だ。ただ私には最後の仕事が来た。総会資料の配布と欠席者の委任状集め。次の班長は持ち周りだがそれが決まる迄は私のなすべき事になる。明日はただでさえ忙しくなるのだが、今までの経験から言っても決戦は土曜日だ。