6月です。梅雨入りや台風など、本格的な雨のシーズンですね。
SNSを見ていると、「台風なのに柴犬を散歩させてるなんて可哀想」「虐待では?」
という投稿を時々見かけます。
台風のたびによく拡散される、ゲリラ豪雨の中を歩く柴犬の画像
しかし、これは柴犬という犬種の習性を知らない方の誤解です。 むしろ、大雨や嵐の中でも愛犬のために外へ連れて行く飼い主さんは、虐待どころか必死に愛犬の健康を守っているのです。
◎柴犬は“外で排泄する”本能が極めて強い犬種です!
柴犬や秋田犬などの日本犬は「日本の古代犬種」と呼ばれ、全犬種の中でもオオカミに近い「古い遺伝的パターン(WOLFLIKE)」を強く残していることが研究で示されています。つまり、「家畜化される前の野生の本能」が色濃く残っているということ。
その本能のひとつが、「巣(家)を絶対に汚さない習性」です。 野生のオオカミは、寝床を清潔に保ち、匂いで外敵に居場所を悟られないようにするため、排泄は必ず巣から離れた場所で行います。 柴犬はこのオオカミの本能が非常に強いため、家を「安心できる自分の巣」と認識した瞬間、室内で排泄をしなくなる子が圧倒的に多いのです。
子犬の頃はまだ「巣」の概念が薄いので室内トイレでもできますが、お散歩が始まり、「外は排泄する場所」と学習した途端、もともとの野生の本能とカチッと合致してしまいます。こうなると、室内トイレに戻すのは至難の業です。
我が家の柴犬は今年で14歳になりますが、これまで何十頭もの柴犬仲間を見てきて、室内で排泄できる子は「散歩があまり好きではない」という共通点を持つ2頭だけでした。それ以外の子は全員、どんな天気でも「外派」です。
柴犬にとっては、「濡れて不快」よりも「巣を汚したくない」という本能のストレスの方が勝ってしまいます。 台風、大雨、大雪、あるいは飼い主が体調不良の時であっても、外に行けないと限界まで排泄を我慢してしまうため、病気(膀胱炎など)にさせないためにも「外へ連れて行くしかない」のが実情です。
レインコートを嫌がって固まってしまう子も多く、びしょ濡れで帰宅した後に乾かすのも一苦労。夜中に「外に行きたい」と起こされることも日常茶飯事です。周囲から「可哀想」と言われる散歩の裏には、こうした飼い主側の必死なサポートがあります。
柴犬は本当に可愛いですが、いわゆる「愛玩犬」と同じ感覚で飼うことはできません。
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オオカミルーツの本能で「完全外排泄派」になりやすい
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自立心が強く、嫌なことには毅然と拒絶(時にはガブリと)する
といった、初心者には一筋縄ではいかない特徴があります。「我と我が家族以外は全員敵!」といった昔ながらの気性の荒い柴犬は減りましたが、しつけの難易度はどちらかといえば大型犬に近いです。
ペットショップの「トイレはすぐ覚えますよ」という言葉を鵜呑みにしてはいけません。子犬期はできても、お散歩デビューをキッカケに外派へ移行するのが柴犬の典型的なパターンです。
「大雨でも散歩に行くのは、この子の本能だから仕方ない」と割り切り、365日どんな状況でも必ず外へ連れて行く覚悟がなければ、柴犬を迎えるのは難しいと言えます。
事前の学びがないまま理想だけで飼い始めてしまい、成犬になってからのギャップに対応できず、全国の自治体や保護団体への持ち込み(飼育放棄)が多い犬種になってしまっている現実もあります。
犬の問題行動の矯正専門として有名なYouTube「ポチパパ」さんも、柴犬のトラブルの多くは「飼い主が本能を理解していないこと」が原因だと明言されています。
猫を無理に散歩させたり、環境変化を嫌う動物を旅行に連れて行ったり……SNSを見ていると、動物の本質的な習性を理解していないケースが本当に散見されます。
↑台風で道に流されてきた飼い亀。亀も流されないように家に入れてください!
どの動物と暮らす場合でも、人間の基準で「可哀想」と判断するのではなく、まずその動物の“本能と習性”を正しく学ぶことが大切なのではないでしょうか。
柴犬は初心者向きではないと言われますが、彼らの歴史や本能を理解し、お互いの信頼関係が築ければ、これほど忠実で魅力的な犬種はいません。シニア期を迎えてお世話の手間が増えるほど、愛おしさは増していくものです。
日本の天然記念物でもある柴犬。その頑固な本能も含めて、丸ごと愛せる覚悟を持って向き合いたいですね。













