わが指のオーケストラ スタッフブログ

2009年2月22日(日)北方圏学術研究センター『ポルト』にて

午後1時より公演決定しましたアップ

わが指のオーケストラスタッフブログですキラキラ

興味を持っていただけたらぜひ、観に来てくださいね音譜


HPで詳しいご案内を行ってます。


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本日4月21日

月命日です。

いつもより数本多く線香をあげました。


さて清田高校演劇部について。

「わが指のオーケストラ」が終わるや否や新入生歓迎のための新しい作品に取り組み、入学式直後の10日に公演、好評を博したということです(フジイくん情報)。


その作品「修学旅行」、26日14時より見せていただけるようです。

連絡いただければご案内いたします。先着数十人ほど? 


トツ

心理学者原口鶴子の青春

 映画を見た。タイトルは「心理学者原口鶴子の青春」。
 今から100年前、単身渡米し学問研究に生涯をささげた女性の足跡を追ったドキュメンタリー作品である。
 原口(新井)鶴子は、日本女子大学校英文学部を卒業後、1907年(明治40年)にニューヨーク・コロンビア大学に留学、「精神疲労の研究」で博士号を取得した。
 渡米は21歳、26歳で学位取得すると同時に結婚・出産、二児に恵まれる。そして1915年(大正4年)29歳で他界。研究者として母親としての生活を開始したばかりの早すぎる死だった。


 しばらく前にこの映画の監督が「泉悦子」さんと知り、劇場に行くことを半ば義務のように感じていた。「悦子」さんは泉母と同名なのです。
 観客が五、六人の寂しい劇場でチラシをながめていたらまた驚いた。
 主人公鶴子が生まれ育った富岡市一宮は、私の実家(富岡市七日市)の隣町。電車でふた駅5分のところだ。映画冒頭に出てくる貫前神社には、桜の季節(一昨年の今頃)に泉と一緒に行ったこともある。


 妙な因縁を感じたら、すぐに100年前の留学生に「泉慈恵」を重ねていた。一年ずつ2度の留学(泉)と、博士号取得のため五年にわたる留学(鶴子)では質も内容もまるで違うのだが。
 泉も留学中の苦労と喜びをたくさん語った。異国で学ぶ計り知れない不安や困難をよくわからなかった私は、また始まったかと聞き流すことも多かった。
 だから100年前の女子留学生の不安はどれほど大きかったか、と想像するのも難しい。本当に想像を超える困難だったのだろう、と映画を見てあらためて思う。
 しかし彼女「たち」は意志の力でやり遂げた。そのつよさに深く敬服する。


 29歳で亡くなった鶴子は二人の子どもを残した。映画のラストでは鶴子の娘さん(もう、おばあちゃん)が登場する。ご主人はコロンビア大学名誉教授ということだ。
 ハドソン川のほとりで幸福そうに暮らす娘さん(おばあちゃん)を見ていたら、鶴子の意志は脈々とつながっているのだということを思った。
 さて、幸福なかたちで甦ることができた「わが指のオーケストラ」。100年後にも泉慈恵の意志を伝えてくれないか、と欲深く考えたりもした。


 「心理学者原口鶴子の青春」は4月6日まで、蠍座にて。           トツ

ほんのささいな日常

 夢を見ていた。
 起きた途端、泉の無念と私自身の底知れぬ寂しさで涙が止まらなかった。
 三月三十一日未明、時計を見ると三時半。もう寝られそうにない。
 これまでの職場への最後の出勤日だというのに。
 あきらめてベッドの上で横になっていると、可哀想に思ったのか、泉があらわれた。
 私は薄暗い寝室で普通に泉と再会した。
 驚きはしなかったが、泉が死んでいるという自覚はあるので「飛べたりするんか?」と質問したりした。
 泉はにやりと「飛べるよ」といい、ひらりとジャンプしたかと思うと、どしんとベッド脇に着地するのだった。
 何だそれは。それを飛ぶとは言わない。飛び降りただけだ。
 本当に他愛のないことで、久しぶりに二人してけらけら笑った。
 一時間も一緒にいただろうか、気がついたら五時を過ぎた頃で、目が覚めれば泉はいない。
 でもそれは身体の感触もあるリアルな質感をもつ「夢」だった。
 夢で会うのは四度目か。ちょっと楽になった。けらけらと笑えたからか。

 
 このWEBサイトを寄贈してくれた制作担当さんから「ブログを書いてください」と提案されて以来、どうしようかと途方に暮れていました。
 それから十日が過ぎ、あれから一年と一ヶ月と十日が経ち、リアルな泉の幻が夢に現れたのを機会に覚悟をきめました。
 私にできることといえばやはり「ほんのささいな日常」を書きとめることくらいでしょうか。
 追悼文集の続きです。


 同時に皆さんから寄せられた追悼公演「わが指のオーケストラ」に対するコメント、泉慈恵に関することなどを紹介いたします。
 またしても皆さんどうぞよろしくお願いします。

                                2009年4月1日 戸塚 直人

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