天平宝字八年(764)丹生山田荘の郡司・山田左衛門尉真勝は、右大臣藤原豊成の次女白滝姫に恋をした。二人の恋は帝の耳まで達し、仲をとりもち夫婦にされました。この都由乃町には、白滝姫をまつる祠のある森があり、栗花落の森といっています。
  栗花落の森(つゆのもり)    神戸市兵庫区都由乃町1丁目2−7  駐車場はありません      

この森の南の東西への道は、鵯越を経て山田へ行く古道でした。森には、昭和四十八年神戸市が保護樹木に選定した大きな榎がニ本あります。

山田左衛門尉真勝は、白滝姫を連れて山田の里に帰る途中、石井村の北にあるこの森で休んだ。その頃は梅雨時であったが日照りが続き、村人たちが水不足に困っているのを聞いた姫が、手にした杖で地面を突くと清水が湧き出した。村人は大変喜び、のちに、清水の面に栗の花がはらはらと落ちたことから、ここを栗花落の森(つゆのもり)と呼んだという。都由乃(つゆの)町の地名のもとになった伝説である。姫をこの森に祀り、栗花落の森と呼ぶようになったという。

白滝姫は都の高貴な生活から一度に田舎のひなびた土地に来たために、生活になじめず。そうしているうちに一人の男の子が生まれました。しかし、白滝姫の気持ちは変わりませんでした。三年の歳月がたち、白滝姫は病の為にとうとう亡くなってしまいました。家が並んだ一角に小さな祠(ほこら)があって、2本のエノキの巨樹が、それを覆うようにそびえ立っています。

  山田の里にある栗花落の井は、また後ほど
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