兵庫県小野市の高田町には、「橋の地蔵様」という小さなお地蔵さまがお祭りされています。一年中、お供えの花が絶えないこのお地蔵様は、たいへん霊験(れいけん)あらたかだということで、近所の人たちはもちろんですが、遠くからもお参りの人がやってきます。駐車場はありませんが、お地蔵さんの前に車1台止める場所があります。

    兵庫県小野市高田町

30年前までは別の場所にあったそうで、現在の場所から20~30メートルほど離れた田んぼ脇の溝に、うつぶせの地蔵が橋代わりに架かっていたそうで、この橋のお地蔵さんは耕地整理で現在の場所に移されました。場所が変わって以降も多くの方がお参りに来るようです。この「橋の地蔵さん」はテレビで放送されていた【まんが日本昔ばなし】のお話しのモデルにもなっているんですよ~。小野市の隠れた名所になってきたようです。

お地蔵さまは、石碑の前の水路にかかっている3つの石橋の真ん中にいらっしゃいます。

この「橋の地蔵さん」のいわれは。昔この辺りに住んでいたおばあさんが毎日お地蔵さまのことを気にかけお参りしていたのですが、ある日腰を悪くしてお参りすることができなくなってしまったそうです。しばらくして少し腰が楽になったので、久しぶりにお地蔵さまのところへお参りに行ったのですが、また腰を悪くしてしまい小川さえもまたいで渡ることができなくなってしまいました。

そんなある日、おばあさんが久しぶりに参拝にやってきた。ところが、急に腰が痛くなりさっき乗り越えた溝も渡れなくなったという。途方に暮れるおばあさん。すると突然、地蔵が「私が渡してあげよう」とうつぶせに倒れ、溝に架かる橋のようになった。おかげで、おばあさんは溝を渡ることができました。おばあさんは喜んで、お礼に地蔵をなでると、どうしたことか腰の痛みは消えた。以来、多くの人々が足腰を治してもらいに訪れるようになった。

お地蔵さんは現在もうつ伏せ状態のため、溝が思いの外狭く、写真はあまりうまく撮れませんでした。橋の地蔵さんのお顔。なんとも言えないほど穏やかで、優しさに満ちた表情をしているらしいです。ひとまたぎできるほどの小さな溝〈みぞ〉に、五、六十センチメートルほどの茶褐色〈ちゃかっしょく〉の石が橋のようにかかっています。

うつ伏せになった橋のお地蔵さんは、霊験〈れいげん〉あらたかなお地蔵さんで、近くの村や町はいうにおよばず、遠くは阪神間からもお参りがあるといいます。とくに腰痛〈こしいた〉で苦しんだ人が、素足〈すあし〉参りでこの橋のお地蔵さんの腰をふみ続けるとなおったとか。

   ~次回を お楽しみに では またね~