優駿2007/3月号におけるダイワスカーレットの記述と僕の感想を書いていきます。

問題があれば消します。また、記述漏れや誤字があればコメントで教えてください。

 

 

 

「杉元清の競馬談義262 ゲスト松田国英調教師」より抜粋

今年の牝馬クラシック戦線は、かつてないほどのレースになります。

杉本 それからダイワスカーレットですが、こちらもクロフネの相手だったアグネスタキオン産駒で、しかもタニノギムレットの仔を相手に戦うわけでこれも因縁というか・・・。
松田 そうですね
杉本 ダイワスカーレットのシンザン記念は男馬相手に2着でしたけど。
松田 あれは僕の油断負けです。一回負かした馬でしたから、目算を誤りました。
杉本 これは一回使って桜花賞でしょうか。
松田 チューリップ賞からですが、僕が使うと言っているのに、ウオッカも使うと言っているんです。相当自信があるんでしょうね。
杉本 そのあたりがファンサイドからすると微妙なんですよね。何度も対戦して、今度はどっちが勝つかという楽しみもありますが、桜花賞直前に顔を合わせてしまうのはどうかなと。
松田 僕は、今年の男馬はまだ良くなってくる馬がいるととらえていますけど、牝馬の場合は…。
杉本 実力馬がほぼ出揃ったというか。
松田 僕らが強いか弱いかというのは上りの時計が早いか遅いかで大体判断するんですけど、ウオッカも33秒台で上がってきますが、ダイワスカーレットも33秒台で上がってくるので(笑)。
杉本 でも、安藤騎手は今度は乗り方を変えてくるんじゃないですか。
松田 ダイワスカーレットはまだまだ柔いんです。追切の負担をちょっとかけただけで、ひばらのあたりがすっと萎むんですよね。飼い葉食いのしっかりしている馬だからすぐに戻るですけど、簡単に萎んで簡単に戻るというのは、まだ体が出来ていないからなんです。だからこれ以上の強い追切をかけたら、そのレースは勝つけど、桜花賞まで持たない。でも、このレースを勝たなければいけないとなると、しっかりと追い切って、もっと仕上げていきます。

杉本 でも、今年の桜花賞は注目ですね。
松田 これまでに強い牝馬をたくさん見てきましたけど、今年の牝馬クラシック戦線は、多分、かつてないほどしっかりとしたレースをすると思いますよ。でも、今回の場合は、ウオッカよりも上手に立ち居振る舞わないと、あの馬は負かせないと思いますね。
杉本 ウオッカはそんなに手強いですか。
松田 タニノギムレットの仔だから(笑)。
杉本 タニノギムレットに似ていますか。
松田 似ていますね。いつも僕の方を見ながら走っているんですよ(笑)。
杉本 そうですか(笑)。ところで、松田厩舎の主戦ジョッキーは安藤騎手ですね。
松田 そうです。フサイチホウオーもダイワスカーレットも、ここぞという時にはアンカツさんです。競馬を知っているというか、勝負どころの馬のさばき方とか、すばらしいですね。僕は、これからのジョッキーは、馬を御してほしいと思っている。流れに逆らわないように乗るとか、他の馬の迷惑にならないように外を回ってきても勝てるかもしれませんが、そこから一つステージを上げて、馬を御してほしい。本命馬が馬込の中でゴールに向かって突き進んでいくところを、ファンは待っているんじゃないかなと思いますね。

 

 

 

感想

この時、ダイワスカーレットは新馬、中京2歳Sの一着二回とシンザン記念の二着一回だった。チューリップ賞でのウオッカとの対決が決まっており、牝馬クラシック戦線での活躍が期待されていたことが、ここからも分かるだろう。ここから特筆すべきことは、松田師の「ダイワスカーレットはまだまだ柔いんです。追切の負担をちょっとかけただけで、ひばらのあたりがすっと萎むんですよね。飼い葉食いのしっかりしている馬だからすぐに戻るですけど、簡単に萎んで簡単に戻るというのは、まだ体が出来ていないからなんです。」という発言だろう。この時のダイワスカーレットは成長途上であり、体が柔かったことが分かる。もしかしたら、これがシンザン記念、チューリップ賞での敗因の一つだったのかもしれない。

 

次回は、同年4月号、つまりチューリップ賞後の優駿から引用します。お楽しみに。

 

(カバー画像は新馬戦)