人生2度目の船場センタービルに向かう前に私はあべのハルカスにいました。バッグと同じ生地で誂えをお願いしていた鼻緒が出来上がってきたとご連絡いただいていたので取りに行っていたのです。
普段行き慣れない場所だし、子供のお迎えの時間もあるし、ウロウロすることもせず直行直帰の予定で天王寺へ出かけ、用事を済ませるとすぐさま梅田までの切符を購入して地下鉄に乗り込んだのですが、車内でふと途中の「本町」に、着物人たちの聖地 船場センタービルがあることを思い出し、急遽予定を変更して途中下車をしたのでした。
意気揚々と?途中下車をしたまでは良かったものの、地下鉄に不慣れで方向音痴かつ地図を読むのも苦手な私しかも目的地(見たいお店)も決めずに無計画に降りたものですから、あっという間に迷子です。いや、目的地がないから迷子というのも変だけど。
船場センタービルの独特な雰囲気に完全に飲み込まれて、どこをどう歩いたか、、、あまり覚えていません。9号館の地下2階から入って、、、途中地下1階へ上がって、あとはまっすぐ1号館方面へ歩いて行ったような気がします。
その途中で数多の服飾店の中に着物屋さんもいくつか。新品のものを扱うところから、リユース専門のお店まで、皆様のブログで拝見したことのあるお店の数々
でもね、入る勇気がない。もう船場センタービルの雰囲気に飲み込まれまくり、気後れしまくりで(なんなら怖かったりして)、覗くことすら憚られる、、、私みたいな初心者が気安く入っちゃいけないのでは?みたいな。
あと、どちらのお店も品数が半端なくて、目から入ってくる情報を脳で処理しきれない、情報処理能力が間に合わないの通りを見ながら歩いているだけでお腹いっぱいになってしまい、なかなか手を伸ばすところまで辿りつかないわけです。あの宝の山をザッと見渡してそこから1枚ずつ見る気力もちょっとなくて
ここは私の来る場所ではなかったのね、帰ろうかな、と妙な敗北感を抱え、5号館で地上(1階)に上がり9号館方面へ向かって歩き始めたそのとき、「おや、この間口。私の処理能力でもついていけそうな品数(陳列数)。ちょっと拝見してみようかしら」と思えるお店を発見しました
そのお店こそが「はちす」さんだったのです。
スッキリ着姿がいつも素敵なブロガーゆかりさんがいらっしゃるお店
「今日はいらっしゃるのかしら?」とドキドキしながら覗いてみるも人の気配がなく、、、。ちょっと席を外してます的なことかしら?と気にせず、お品物を拝見しながら奥へ進むと、奥の畳の間で長着のサイズを測っていらっしゃる方がいらっしゃいました。チラッと見えた長着は明るめのお色目。。。ということは「今日はゆかりさんではないんだな(だってゆかりさんと言えばダークなお色目が多い方)」と勝手に思って、引き続きお品物を拝見していると、、、奥でお仕事をされていたその方がお声をかけて下さった、、、
なんと!
ゆかりさんでした。
勝手にダークなお色目ではない長着を着ていらっしゃるからゆかりさんではないと思ってしまっていたら、まさかのゆかりさん(思い込みって恐ろしい)で、、、不意をつかれたというか、一気に緊張がピークになり、勇気を振り絞ってブログを拝見していることをお伝えしたものの、そこから何を話したか細かいことをあまり覚えていませんコートや帯や長着の試着やアドバイスをいただいたことは覚えていて、満足のいく良いお買い物もでき、心満ちる時間を過ごさせてもらったのですが、そもそも私、見た目と裏腹に人見知り場所見知りだったりするので「こんなに緊張したの、久しぶり〜っ」ってくらいガチガチでお話させていただいたんです。で、その緊張から解放された帰り道は「良いもの買えた」「ゆかりさんに会えた、話せた」ふわっふわした高揚感しかなく、いつまでも高揚感を引きずりすぎて、このお買い物記録をブログになかなか書けなかったって言う(しかも買い物記録よりも前説のほうが長すぎる)
先日、ゆかりさんのブログにこの日のことが書かれてあるのを拝読し「あぁ、ゆかりさんはあの日、こんな長着と帯だったんだなぁ(当日は緊張で直視できず)」と改めて思った次第で、、、ようやく落ち着いたのでこうして長々文章を書いてます
それでは、本題の戦利品をば手短に
最初に決めたのは1枚も持っていなかった和装コート。
基本的に車移動の私。まず1枚目は単で軽いものが良いなと思っていたのでドンピシャ。こちらはリバーシブルで着られるんですって
新年パーティー用に新調しようと考えていた袋帯は2本購入しました。
悩んで悩んで紫根染めと書かれたこちらの帯を1本。
もう1本は色柄ともにストライクで手放すことが出来なかったこちら。
↑帯のタイトル?
↑???
そして、自分でも想定外の更紗の長着。
総柄小紋はどうも苦手意識があり今まで敬遠していましたが、、、この更紗は見た瞬間に惹きつけられるものがあり、厚かましくゆかりさんに着せていただいたところ、もう、素敵すぎて。この柄、色付け、、、気が遠くなるほどの凄い、素晴らしい手仕事手離せなくなりましたちなみにこちらは江戸更紗らしいです。
見るたびにトキメク
お花だけでなく鳳凰が描かれていたのが良かった
いつもは帰宅したらすぐにお片付けするのですが、この日は嬉しさのあまり早速羽織ってみたりなんかして
そんなこんなで見事な?大人買いをした私(それとも船場センタービルへ行ったら皆様こんな感じでしょうか)。
この後、腕が引きちぎれるような思いで荷物を持って(でも心はフワフワ)帰宅したわけですが、、、
高揚感の醒めないまま翌週もまた船場センタービルに、「はちす」さんに、それ意外のお店にも伺った話はまた今度
カバー写真は昨日いただいたケーキ。