『熊野本宮大社』

 

主祭神 家津御子(けつみこ)大神は、スサノオノミコトにあてはめられている。

しかし、その主祭神を祀っているはずの社殿の千木(ちぎ)は内削ぎになっている。

 

神社の社殿建築には様々な特徴がある。

そのうち、その神社がお祀りしている神様は男神か女神かを示す指標となるのが「千木」そして「鰹木(かつおぎ)」と呼ばれる屋根に設けられている部材。

「千木」というのは、屋根両端で交叉させた形になっている部材のことであり、「鰹木」は棟に直角になるように平行に何本か並べられた部材のこと。

 

男神は、「千木」が外削ぎで「鰹木」が奇数。

女神は、「千木」が内削ぎで「鰹木」が偶数。

 

この写真真ん中の社殿に家津御子大神→スサノオノミコト(男神)は祀られている。

ならば、「千木」は外削ぎでなければおかしいのだが…。

 

前回の「熊野見参!」に引き続き、今回も権禰宜・岡崎さんに社史や社伝をご案内いただいた。

ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

『熊野坐神社 旧社 (大斎原)』

 

明治22年(1889)の水害まで、熊野本宮大社は熊野川、音無川、岩田川の3つの川の合流点である「大斎原(おおゆのはら)」と呼ばれる中洲が所在地であった。

その当時、1万1千坪の広大な境内に、五棟十二社の社殿が立ち並んでいたという。

 

 

 

 

上記水害(洪水)により、上、中、下各四社のうち、上四社を除く中下社の八社殿二棟が甚大なる被害を蒙った。

これにより現在の熊野本宮大社に上四社のみ御遷座(移転)ということになった。

ちなみに、現在中四社、下四社は写真右側にある石祠にお祀りしている。