電子顕微鏡による分析と構造検視はその特性上プラケースに入った個体は不可能
一方レーザー顕微鏡による検証は理論上可能なはず。。
という事でケースに入った状態の本物とされる円銀(いずれもNGC正規グレーディング品)2点を検証して見ました
上は本物の円銀です
コイツと比較して何がわかるかテストをしてみました
まず1点目・・・
完全に構造相違(◎は完全な不一致 ○はほぼ不一致 △は疑問 ×は合致・・青と赤の波形が合致すれば同じ場所に同じ大きさで重なって現れます)
◎が1つでもあればまず不一致品と見て間違いないでしょう
2点目・・こちらは状態も比較の本物に非常に近いもの
こちらも上の個体ほどではないもののまず不一致品でしょう
その後のケース穿孔分析、その他検証を行い間違いなく贋作(レーザー切削による金型使用)である事が判明いたしました
ちなみにケースへの穴あけ加工→分析→データ解析→電子顕微鏡による最終確認 でかかる時間は早くても1検体 2~3時間・・・
一方、このレーザー顕微鏡を使っての構造比較にかかる時間、、、データの取り込み時間を入れても1分程度
他に19点の同様検証テストした結果、ケース破壊をせず、組成分析を行わずとも、十分に鑑定が可能であることがわかりました
もちろん当方では鑑定にそうした簡素化はいたす事はございませんが、どうしてもケースに傷を付けたくない方々の要望には応える事が可能である事がわかりました
ただ・・・・
つい先ごろ新型スコープを買ったばかりだし、、、100%の断言が出来ない以上、さすがにこの金額は出せないなぁ(汗)
2020年6月23日追記★
そうそう。。大切な事を書き忘れておりました・・・
この方法、あくまでも本物の比較検体が必要となります
よって、レアコインは基本従来どおりケースアウトしなくてはわかりません
レーザー顕微鏡も倍率的には2万数千倍までの拡大は可能ですが、流石にケースに入った状態ですとそこまでの倍率では見ることが出来ませんのでレーザー金型特有の切削痕跡も観察出来ませんでした
レーザーや新しいスコープもかなりの性能ですが、やはり極限の分解能はSEMには及びませんでした