続、実体顕微鏡での真贋判定 | 和同開珎ー皇朝銭専科のブログ

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こうして相応の倍率で観察していただいたらその錆が人工着錆であるのか天然発錆なのか一目瞭然です





地金の露出が新しいと言うことでわが国屈指の有名コイン店でNG判定されたそうですが、40倍という低倍率でもそれが地金ではなく溶出した銅成分が再結晶化した天然鉱物であることがはっきりとわかります。

もう少し拡大したらただの地金露出でないことは一目瞭然

文字や輪縁部の盛り上がり部が銅の溶出に伴い完全に空洞化、、、その空洞部分に銅の結晶が無数に並んでおり人間の力でどうこうで出来るレベルの現象構造でないことは誰の目にも明らか


 
実体顕微鏡で・・・・というタイトルからコンセプトがはずれてしまい、チョットずるだが、こうした結晶体を電子顕微鏡で観察してみたらこんなにくっきりと銅の結晶体が観察できるのです

先週も書きましたが100倍程度の倍率が得られます実体顕微鏡であれば少なくとも明らかな贋作というものは絶対に掴まずに済みます

非常に少ない投資ではありますが、非常に高い判断根拠材料が得られます

ぜひ試してみてください

もちろんこの個体の組成からも純粋な国産材が使用されていることも、また地金そのものから銅が溶け出てしまっている皇朝銭特有の構造、、

もちろん銭文サイズなど、基本的な計測も1000分の1mmのところまで計測(必要があれば1000000分の1mmまでだって計測します)

他にも内部組成と表面組成の比較から皮膜や付着物と本来の地金組成であるかの判断も現在では行える環境です