上が日本貨幣商協同組合の鑑定品 売買価格26万円とのこと
儲かるな~
仕入れ値は5~7万といったところか?
鑑定書代を入れても8万以下・・・3倍強の販売価格はウハウハですね(笑)
面研磨、クリーニングも軽微 市場にあります和同開珎としてはかなり良いほうでしょうから一般的には妥当な価格と皆さん思われているんでしょうね(汗)
一方下は、、、
う~ん
文字も潰れ地金の雰囲気も正直良いとはいえません
実はこれ、、私がいつもお世話になっております 某おたからやさんより1万円で引き取らせていただいたものです
当然過去2回の組合の審議ではNGであったそうです
私がコイン催事場で6店で見てもらうも4店がNG 2店も う~ん。。わかりません
ま~この姿では当然といえば当然ですが・・・
しか~~~~し
正解は。。。
上が近代贋作
下が当時の真品です(汗)
正直私も第一印象は騙されました
気がついたのは組成データを見たときです
上は大陸材満載
下は純国産材でした
その後構造検視、錆の結晶構造検視などを経て間違いないことが確定しました
さらに拡大してみますと・・・
人工的に着錆を施した上からさらに膠で練った緑青粉末が塗布されて軽く磨かれているのがわかります
もちろん金属成分の溶出構造も全く発見できませんでしたことから本品が土中にあったことはないと断定が出来ます
当然土中に限らず密閉状態の壷などから極々稀に出るタイムカプセル品のようなものであったとしてもごく表層部付近では必ず成分の溶出構造は観察できます
一方、下は・・・
あれ、、むき出しの地金部に微細なクラックが無数に走っているではないですか・・・
これだけ微細なこの構造は残念ながら電子顕微鏡でしか観察できないと思いますが・・・
俗に金属が枯れるなどと表現されますが、長いこと土中にあった金属のひとつの特徴であり多くの皇朝銭でこうした構造は観察できます
もちろん100年や200年程度の埋蔵期間ではこうした微細クラックが入ることは絶対にありえませんので古さのひとつの目安として考えられます
さらに拡大してみますと贋作にはない鉱物の結晶体がしっかりと観察できました
もちろん上の劣化を裏付ける内部溶出構造が全体で観察でき本品が少なくとも500年以上の長きに渡って土中にあったことを証明いたしております
その後銭文サイズの詳細検視の結果
上 は 中字の3次銭から型を取られた写し銭であり
下 は 当時の4次銭であることが判明
従って銭サイズや各部のサイズは両銭とも一般的中字としてほぼ基準どおり
目視鑑定だけでは絶対に見抜けないひとつの例ですね
貨幣商組合さん
残念だけどまた鑑定間違い見つかっちゃいましたよ
いいかげん変に意地張らずに少しは科学の力借りたら?
ま~鑑定員の皆さんは視力も5.0くらいは普通にあるでしょうし、一般人と比べたら比較にならないほどの高分解能をお持ちでしょうから1ミクロンくらいの微細構造は裸眼でも見えるのでしょうが・・・