金峰山経塚(きんぶせんきょうづか)出土品を科学してみました
ケガキ針を使い手書きされた阿弥陀如来像
割れは新しく 明治維新後の廃仏毀釈によるものと考えられる
一見非常に保存状態が良いように見えるが全体に細かい亀裂が走っているのが解る
色の白っぽい部位(銅粒子)と灰色っぽい粒子(鉛粒子)の差を検証していたところ、銅粒子の中にのみかなり多量の水銀が含有することを突き止めました
銅以外の粒子からはそれほど多くの水銀は検出されなかったことから鍍金など製造後の加工によるものではないと断定が出来ました
奈良時代末期、奈良の大仏に金鍍金を施すため大量の水銀が使用され、それが原因で多くの中毒症が発症し、結果都が移されたとされるが、本品はそうした史実を科学的に裏付けるものといえます
奈良末期~の大仏鋳所での鋳造品や、同所での精製銅を使用された銅製品の中にはかなり多量の水銀を含有いたします
皇朝銭でも萬年通宝、神功開宝、隆平永宝あたりで一部の鋳銭所で製作されたものの中には同様に使用されている銅に通常の10倍以上の水銀を含む個体がございます
これらはこうした銅が使用されたことを示すものです
前銭を鋳潰し次銭を発行していた影響により富壽神宝あたりからは銅粒子に限定し特定元素が特出して検出されるといった現象は見受けられず全体的にぼんやりとした組成特徴へと変遷してゆきます
